箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「2025年問題」を見据えて

2017年12月17日 09時30分33秒 | 教育・子育てあれこれ


12月2日のブログでは、「2040年問題」について書きました。

その後、書物を読んでいると「2025年問題」があると知りました。そこからの引用で2025年問題を紹介します。

2030年までを見据えたとき、日本経済にとって、個々の企業にとって、いちばん大きな問題は、人手不足です。

今も人が足りませんが、2020年代は、その比ではありません。

2025年に経済成長率0.8%を維持するには、583万人の労働者が足りなくなるそうです。

その度合いは、2016年と比べて2倍以上となり、たいへん深刻な状況になります。

人手不足のもっとも大きな原因は、少子高齢化です。

ただし、これは若者が減り、退職者が増えることにおさまらず、介護離職者の増加にもつながります。

つまり、今後は、団塊世代にあたる人たちに介護が必要となり、その子どもたちが介護をするケースが増えることは確実です。

(私も先日、家族に付き添って病院に行きましたが、患者さんに高齢者が増えたといののが実感でした。)

東京都の場合、都内に住む75歳以上の高齢者の4人に1人が要介護になるそうです。

介護は、育児と違い、いつ始まるか、いつ終わるかがわからないのが難点で、介護休暇の日数には限度があり、介護が長引くと、退職しなければならなくなります。

2011年ごろに、介護を理由に退職した人は10.1万人でしたが、2020年代には介護離職がもっと増え、働き手不足に拍車がかかります。


さらに、最近は新入社員がすぐ辞めてしまうという声が聞こえます。

入社して少しでも違和感を感じると辞めてしまいます。

若い働き手の離職を止めることも、働き手確保のためには重要です。

かつては、人手不足を残った人の長時間労働で埋めていましたが、いまやそんなことはできません。

働き手不足をAI(人工知能)で補っていくという希望的観測がありますが、AIで置き換えることがてきる分野は実際それほど多くないことがわかってきました。


これからの企業は、有給休暇が取りやすいのは当然で、加えて働きやすい環境づくりが求められます。

(本文は、『THE 21』2018年1月号の「はたらく人のリアルな問題」から原文を大部分引用しています。)

さて、最後は教育に結びつけて、

2025年といえば、今の三中の子が大学まで進学したとして、ちょうど新任として就職するころです。

新しく入った会社や職場に少々違和感を感じても、すぐに辞めない子に育てていきたい。

いくらAIが発達しても、働くのは人と人との関係がやはり必要でしょう。

人を信頼して、学力をもち、豊かに人とつながり、聞いて、話して、考えや思いを伝え、人といっしょに課題を解決する力の基礎を、三中で育んでいきたいと思います。