箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

いじめをどう定義するか

2017年12月04日 16時57分13秒 | 教育・子育てあれこれ


いじめの定義は、時代とともにかわってきています。

【いじめの定義の変遷】

1986年度
自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じ、学校としてその事実を確認しているもの
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1994年度
自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。個々の行為がいじめに当たるか否かの判断はいじめられた児童生徒の立場に立って行う

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2006年度
当該児童生徒が一定の人間関係のある者から心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの
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2013年度
児童生徒と一定の人間関係のある他の児童生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットも含む)で、行為の対象の児童生徒が心身の苦痛を感じているもの

以上の定義は、文科省の「児童生徒の問題行動調査」、「いじめ防止推進法」から引用しました。



いまのいじめの特徴は、三中でも見受けられますが、いじめる子どもといじめられる子どもが固定化していないという傾向があります。

いじめる側にあった子が、ある日、いじめられる側になる場合があること、つまり、立場の流動性が見られます。

そして、必ずしも強い者が弱い者という力関係によらない、いじめが起こります。

(もちろん、少し前に多発したような、力関係をもとに、一方的に、継続的に攻撃を加えるいじめもあります。)

このような、いじめの実情を受け、定義も変遷してきたわけです。

そして、いまでは、インターネットを使ったいじめも、看過できない深刻な問題となっています。

いずれにせよ、受け手側が、心身の苦痛を感じていれば「いじめ」になります。

なおかつ、大津事件のあと、「いじめ防止対策推進法」が成立しました。

いじめにより、子どもの生命や財産に損害が起きたときには、「いじめ重大事態」と位置づけ、「いじめ調査委員会」が組織される仕組みが整いました。

三中では、今度も引き続き、生徒の自主活動として、「いじめZERO」の活動に取り組んでいきます。