保護者のみなさんは、起立性調整障害をご存知でしょうか。
夜間に横になっていた体は、朝に目覚めて起きようとすると、体の中の血液は自然に頭に回ります。
しかし、場合によっては、すぐに上半身に血が循環しない人もいます。
すると、頭の血圧が上がらず、ふらついたり、頭痛がしたりします。
体がだるく、すぐには起きれないのです。
この病気は、思春期になると現れやすく、起立性調整障害といいます。
その子は、朝が起きにくいのですが、時間の経過とともに血圧が上昇してきて、起きれるようになります。
なかには、午後から元気で、普通にしている子もいます。
だから、遅れてでも学校に来ることができます。
三中にも、医師からこの診断を受けている子が何人かいます。
また、診てもらうお医者さんは、OD(=起立性調整障害のこと)の専門医が望ましいのです。
普通の内科医だと、診断を見誤る場合がないとも限らないからです。
起立性調整障害と診断された子たちに、「気合いだ。しっかりしなさい。がんばって学校に行きなさい(教師からすれば、来なさい)と、叱咤激励するのは、当事者の子どもにとっては、マイナスになりこそすれ、けっしてプラスにはなりません。
気合いでなんとかなるものではないのです。その子は怠けているのでもないですし、サボっているのでもないのです。
私は前任校で、起立性調整障害の生徒と出会い、その子の親御さんから紹介されて、その病気を理解する研修に行ったのをきっかけに、これらのことを学んできました。
薬を服用して、症状が改善していきます。治療法もあります。また、思春期の終了とともによくなる場合が多いと言われています。
ですから、起立性調整障害の子が、遅れてでも登校してきたなら、「あなたのことはわかっているよ。よく来れたね」と教師や友だちが言うならば、その子は救われた気持ちになります。
まわりの理解と配慮があれば、過ごしやすい学校生活になります。