
一般的にいって、小学校高学年から中学生にかけて、子どもたちに「自分のことを好きですか」と問うと、多くの子が「好きでない」と答えます。
それは、親やまわりが考える理想の子どもと、自分の落差を感じ、ある意味の劣等感をもつからでないかと、考えます。
三中生の場合、昨年度のステップアップ調査では、その傾向が出ていませんが、過去の調査結果には現れていました。
赤ちゃんなら、親の顔を見て笑ったり、お腹がすくと泣き、満足したら眠る。劣等感など関係ありません。
しかし、小学校高学年から中学生になると、だんだんまわりの価値観を知るようになると、それにあてはまらない自分に自信をなくしていき、自分を好きでなくなるのでしょう。
とりわけ、勉強ができるかできないかは、自分が好きであるかどうかに、大きな影響を与えます。
しかし、勉強ができる、できないは、一つの差であり、そこから生まれる差別感が問題です。
一生懸命学習に励むことは大切ですが、勉強ができる、できないは人間としての価値に差はあるません。
頑張って「進学校」に入るという夢と、勉強は得意でなくても人に喜んでもらう仕事に就きたいという夢に、人間的価値の差はありません。
中学生は、いったん「自分が好き」という子は減りますが、学年が進むにつれ、友だちとの比較ではなく、「自分は自分」と思えるようになります。