箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「まなざし」に敏感になる

2017年12月22日 12時24分43秒 | 教育・子育てあれこれ




本日、2学期の終業式を迎えることができました。

私からの講話のあと、まず、表彰伝達をしました。

2年生の習字の表彰(特選一人、銀賞二人)をしました。

3年生の税の作文の優秀賞を表彰しました。

吹奏楽部の箕面市長賞を表彰しました。


生徒会からは、三中校区子ども会議の報告をしました。

給食委員会から、ご飯やおかずのよそいわけの適量をクイズをして、全校生徒が答えました。

12月11日から13日の期間で、給食の残量調査をした結果発表があり、2学期のよく食べていたクラスを表彰しました。

1位 1年C組、2位 1年A組、3位 1年E組

1位 2年A組、2位 2年B組、3位 2年E組

1位 3.年E組、2位 3年D組、3位 3年A組

でした。

そのあと、生徒指導部から自転車の乗り方の注意がありました。

中学生が自転車を運転していて、高齢者とぶつかり加害者になったケースを紹介することで、安全に自転車に乗るように。

スマホを使った、動画、画像のアップ、友だちに関する悪口の書き込みはしないように。

安全に冬休みを送ってください。

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「まなざし」で傷つく人がいる

H29(2017).12.22 2学期終業式講話

「ブラジル人やから、サッカーがうまいんやろ」 みなさんはこの言葉を聞いて、なにか感じることはありませんか。

あと、10日たらずで2017年が終わろうとしています。喜んだことや悲しんだことがあったでしょうが、みなさんが、2学期の終業式をこうやって迎えることができたことに、私はたいへんうれしく思います。

さて、2学期の終わりに、わたしは「まなざし」という話をします。

いまの世界って平和なのでしょうか。答は残念ながら「No」だと思います。様々な国や地域で紛争やいさかいが起こっています。グローバル時代とはいいながらも、2017年は、自国の利益だけを求め、外国人や移民を拒否する排外主義が強まった1年であったと、私は思います。

私には、これからの時代を生きるみなさんに、考えてほしいことがあります。それは外国人や「外国につながる人」への、「日本人」が向けている無意識の「まなざし」というものです。

たとえば、こんな会話をしませんか。
「ブラジル人やから、サッカーがうまいんやろ」
「中国人なんやろ。中国語しゃべってみて」、
「日本語がお上手ですね。いつ日本へ来られたのですか?」
これらは、「まなざし」から出てくる言葉です。

ブラジルの人はみんなサッカーができる。中国人は中国語を話す。こんな文化をもつというように、国で人をひとくくりにしてしまうことがないでしょうか。

その意味で、英語の教科書にある外国の文化を扱った単元も、みなさんが外国の文化や習慣に興味関心をもつ「入り口」としてはいいと思うのですが、学習するみなさんが「その国は、みんながそうである」とかんちがいしてしまうことを心配しています。

「○○の国の文化はこうなんだ」と思い込まないで(=きめつけないで)ほしいのです。人は一つの国の中でも、一人ひとりが、もっとさまざまで、多様な背景をもっています。

日常的に、毎日の生活の中で、多くの「日本人」が「無意識」のうちにとる態度や行動、この「まなざし」により、「外国につながる人」が攻撃され、深く傷つくことがあることに、私たちはもっと敏感にならなければなりません。

みなさんの中には、自分がクラスや学年、クラブで自分がどう思われているかを気にする人が多いのでないですか? 「わたしは周りからどう思われているかを、まったく気にしない」という人がいたら、手をあげてください。(一人も手をあげなぃ)

やはり、気にしますね。

では、「あの子はこんな子」と思い込んだり、決めつけていませんか?

決めつけのまなざしを向けられることで、深く傷つき、まわりからよく思われていないと感じた人は、自分に自信をなくしてしまうことが多いということに、私たちはもっと敏感にならなければなりません。

三中の生徒のみなさんには、「まなざし」を向けず、友だちの気持ちに敏感になってくれるよう、1年の締めくくりとして、みなさんに期待します。