1976年にテレビドラマ「岸辺のアルバム」が放映されました。
山田太一さんが原作、脚本を書きテレビドラマ化されました。
そのドラマは、当時にしては衝撃的なストーリーでした。
どこにでもある中流家庭の風景から始まり、倦怠期を迎えた夫婦の妻は不倫に走ります。
夫の会社は経営に行き詰まり、ごく普通の中流家庭に亀裂が入ります。
その子どもたちは大人になる過程での揺れる思春期の苦悩を抱えます。
家族がバラバラになっていく様子が描かれ、最後に水害によりマイホームが流されるという危機から、家族が再生するというあらすじでした。
1974年に多摩川が台風で増水し、堤防が決壊して家が20棟ほどの流されたという事実がもとになっています。
山田太一さんは、この作品以外にもこれが「いい人」、それが「悪い人」と言う固定的な描き方はしませんでした。
というより、人間だれしもがもっている多面性を見事に描いていました。
今の時代に「岸辺のアルバム」をみても、古い感覚はもたず、その人間像はむしろぴったりとくるように思います。
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