「おはよう」
「元気かな?」
「英語の先生から聞いたけど、この頃がんばっているらしいね」
「きのう、地域の祭で活躍していたね」
どこの中学校にも、このように、生徒と自然な会話ができる先生がいます。
生徒は先生からから、このように話しかけられるのを楽しみにしていると見えることもあります。
生徒には、話しかけられる準備ができているという感じてす。
そのように話しかけることができる先生は、はじめからこんな関係を築いていたのではないのです。
生徒一人ひとりについて、その子が関心のあることや興味をもっていることを把握していて、自然に話しかけることができるのです。
話しかける話題は、たわいのないことかもしれません。
しかし、そんな先生の会話は、そのことそのものが大切なのではないのです。
生徒が話しやすい先生だと思うことに意味があるのです。
いざ本当に話したいことが先生側にあるとき、ふだんから話せる関係にないなら、中学生はおそらく「べつに、何もない」と返答をかえすでしょう。
ある日、変わった服装をして来た生徒に「なんや、その服装は」と言うと、「べつにいいやろ、よう似た服装をしているやつは他にもいるやろ」と拒絶します。
しかし、ふだんから話しかけられて、会話をしている先生になら、注意に対して素直に応対します。
生徒とのコミュニケーションがうまくいっている先生は、生徒が話しやすい関係
や状況をふだんからつくっているのです。
それは先生からの働きかけです。先生の方から、生徒のほうにチャンネルを合わせに行っているのです。
そんな先生は、生徒のことをじつによく知っています。
職員室で聞こえてくる他の先生どうしの会話をよく聞いています。
そして、いざその生徒と出会ったときに、その子にいちばん適した話しかけができるのです。