
代々木公園の広大な緑地帯の南端部に位置している「渋谷区役所前交差点」から引き続き散策を続けていきます。この界隈には渋谷区役所庁舎や渋谷公会堂、NHK放送センターなどの重要な公共施設などが密集しています。

渋谷区役所前交差点の北側、代々木公園の緑地帯の手前側に広大な敷地を構えている「NHK放送センター」を撮影してみました。日本全国に緻密な放送ネットワークを持っているNHKの中枢とも言える施設です。

渋谷センター街などの、渋谷駅周辺の若者向けのブランドイメージが定着しているこの場所に、世間的にお堅いイメージのNHKの本拠地があるというのも意外な気がしますね。

NHK放送センターの敷地の脇には日本テレビや電通の共同事業ライブイベントスペースである「SHIBUYA-AX」の敷地が広がっています。1700人を収容することが出来るコンサート会場となっています。

NHK放送センターの敷地と、国立代々木競技場の敷地の間に広大な散策道が伸びていて、真っ直ぐ道なりに沿って進めば代々木公園の緑地帯の「渋谷門」へ向かうことが出来ますが、寄り道します。

NHK放送センターの敷地内を通り抜けてみたいと思います。テレビ局の敷地内に普通は入ることはできませんが、NHKの場合は「NHKスタジオパーク」と言う名前の観光施設があり、一般人でも敷地内に入ることが出来ます。

渋谷区役所前交差点の前にスタジオパークの入り口が設置されていて、放送センターの敷地内へ入ることが出来ます。

元々NHK放送センター内には見学用施設が設置されていたのですが、1995年3月の放送70周年記念事業の一環として視聴者体験型にリニューアルし開業し「NHKスタジオパーク」となりました。

広大なロータリーに沿って整備されている歩行者用通路を散策し、ロータリーの北側にあるNHKホール前まで向かいます。

元々NHK(日本放送協会)の本部は1938年(昭和13年)から1973年(昭和48年)まで千代田区の内幸町地区にありました。日比谷公園の南側、現在の「日比谷シティ」の敷地が広がっている場所です。

日比谷に本部があった時代は「NHK東京放送会館」という地下1階・地上6階建ての建物内で運用が行われていました。戦後はGHQによって接収され、民間情報教育局が入り放送の検閲や指導を行っていました。

その後、現在の代々木公園の周辺一帯に広がっていたアメリカ軍の兵舎・住宅施設「ワシントンハイツ」の敷地が1964年(昭和39年に日本に返還され、の敷地の一部に五輪放送センターが建設されました。これが現在のNHK放送センターの原型となります。

放送センターの敷地内に併設されている「NHKホール」を撮影してみました。3500人以上を収容できる多目的ホールであり、毎年の年末に実施される「NHK紅白歌合戦」の会場としても使用されています。

オリンピックの後、正式にNHKの本部施設として使用されることとなり、10年近くかけて日比谷地区にあった旧東京放送会館から引越しを進めていきました。そして1973年7月末に日比谷地区からの放送が終了する運びとなりました。

その後、NHKはここ渋谷を新たな本拠地として放送を続けることとなり、日比谷にあった跡地は再開発工事が行われて1981年(昭和56年)に「日比谷シティ」が開業しました。

オリンピックのために建設された放送センターのすぐ脇に建っている「国立代々木競技場」の入り口を撮影してみました。これから向かう代々木公園も選手村として使用されていた経緯があります。
