標高が高い高台広場の上に構築されている本丸に対して、低地に造られている「二の丸」は将軍の別邸やお世継ぎの御殿が建てられていた場所です。御茶屋や泉水も造られていましたが、基本的には本丸御殿を簡略化して造られていました。
二の丸の御殿は現在の「二の丸雑木林」の広がっている場所に建てられており、現存してはいません。そして建物の前に広がっている「二の丸庭園」は現在も整備されています。
現在は枯れ草状態となっている花菖蒲園越しに二の丸庭園を撮影してみました。花菖蒲は5~7月頃に咲くので、8月現在では眺めることはできなくなっています。
花菖蒲園の奥には二の丸庭園の中核をなしている池の水面が広がっていて、その池を取り囲むように散策道が整備されています。
花菖蒲園を取り囲むように掘られているせせらぎですが、透明な水が雑木林方向から流れてきて、二の丸庭園の池内に流入していきます。
二の丸雑木林から流れてくる小川のせせらぎの水を菖蒲園内に引き込むこともできる構造になっていて、せせらぎの護岸には簡易的な水門も何箇所か設置されています。
二の丸の「池泉回遊式庭園」の全景を撮影してみました。庭園の中央には周囲3か所の水源から流れ込んでくる池が設置されていて、その周囲に散策道や木々が整備されています。
二の丸雑木林から庭園の池に流れ込んでいる小川のせせらぎの上に架橋されている木橋が設置されていました。木橋の上から二の丸庭園を撮影してみます。
せせらぎ上の木橋から二の丸庭園を撮影してみました。正面に広がっている濃い緑の木々の背後には宮内庁病院や皇宮警察宿舎の建物の敷地となっています。
そして借景庭園の要領で、大手町の高層ビル群が二の丸庭園の背後に写っているのが見えます。大手町地区の北端部に近い場所に林立している高層ビル群を眺めることが出来ます。
二の丸庭園の池に流れ込んでいるせせらぎを真上から撮影しました。真夏の季節で最近の東京都心部脳量も減ってはいましたが、水量も多かったです。
江戸城の本丸の高台広場や天守跡地周辺はこの日も多くの観光客の人たちで賑わっていましたが、この二の丸庭園周辺はほとんど人通りがありませんでした。
庭園の池は大きく二つに分割されていて、その間をアーチ橋と散策道が通っています。北側の池には岩山と滝が設置されているので見に行きましょう。
濃い緑の木々に覆われているので判りにくいですが、二の丸庭園の敷地の東側(大手町側)には岩山や石垣などによって築堤のような地形が整備されているのです。
池の周囲に整備されている散策道を歩いていきます。散策道には展望所やベンチなども設置されているのですが、この日は誰もいませんでした。
アサザやヒツジグサ、コウホネなどの水生植物が数多く生息している二の丸庭園の水面には、庭園内に植えられている木々や青空が綺麗に写り込んでいました。