みどりの野原

野原の便り

4月18日 春の鵜殿

2010年04月18日 | Weblog
 
セイヨウカラシナで真っ黄色の堤防          ヨシ原

淀川の川岸にある鵜殿のヨシ原。昔から質のいいヨシの産地だった。
時には川の水がかぶることもあってヨシの生育に適していた河原は
河川改修により川面からだいぶ高くなり、水が届かなくなりヨシ原
は減少した。

ヨシは昔から生活にいろいろ利用されてきただけでなく、ヨシ原は
多様な生物の棲みかであり、人間にとっても心やすまる風景でもあ
った。雅楽のシチリキのリードにはここのヨシが一番だという。

そんなヨシ原を保存しようといろいろな試みがされていると聞く。
1つは水の届かなくなったヨシ原に川をつけて、ポンプでくみ上げた
水を流しヨシ原に水を近づけようというもの。
またべつの場所では、地面を切り下げてヨシ原を水に近づけようと
するもの。今も実験が続いているという。

焼け焦げた茎の根元から力強くアシが伸び出していたが、まだ地面
が見えている。
日の当たる地面にはもうしばらくの間に命をつなごうとしている
小さい草の芽がたくさんあった。

夏から秋、あんなに繁り覆うカナムグラが今は可愛い芽だ。
双葉がまだ残っている。そうか。カナムグラは1年草だったのか。

ヨシの根は掘ってみるとそう深いところにはないのに、野焼きでも
死なないのも不思議な気がする。

 
ヨシの間に黄緑色に盛り上がったところはノウルシの群落 
湿地に生える多年草。たくさんあるようだけど、大規模なヨシ原の
残っている所にしか生育しないそうで、絶滅危惧種だとか。
有毒で、茎を折ると出る白い汁はかぶれるそうだ。

ヨシやオギの伸びるまでの間に成長して子孫を残し、ヨシが成長し
て日が当らなくなると休眠するという。
うまくサイクルを合わせて生きているなあ。

そのほか希少な植物を2.3種観察した。

 
「ヨシ笛も作れるよ」
セイタカヨシの茎を切ってリードを挟んで講師が鳴らしてみる。
吹き方にもコツがあるらしい。なかなか鳴らない。
その笛を子供がうまく鳴らしていた。
ちょっとやらせてもらったがうまくいかなかった。
友達は音が出たと喜んでいる。いいなあ。
でも「乾いてくると音が出なくなります」と言われて「ええ~っ」
とがっかりした声。まあ生ものだから仕方ないよね。

イタドリでもできるそうだが、時間もなかった。
フィルムを切ったリードをもらって帰った。

帰りはかろうじて歩けるヨシ原の中を横切って歩いた。
もうしばらくするととてもこんなことは出来なくなる。
コメント
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