みどりの野原

野原の便り

3月12日 お水取り  間近で「お松明」

2008年03月12日 | Weblog
友達のいとこさんの関係からお水取りの「お松明」を間近で見られると
いうので、ご一緒させてもらった。

”東大寺の修二会(お水取り・お松明)は752年から1度も途絶えること
なく続いている「天下泰平」「五穀豊穣」・・等を祈り、人々に代わっ
て懺悔の業(苦行)を勤めるもので、前行・本行あわせてほぼ1ヶ月間、
準備期間も加えれば3ヶ月にも及ぶ大きな法要”(インターネットによる)


早い目・・のつもりで5時半ごろに着き、リボンをもらって2月堂下に着い
たら、もういっぱいの人。

私達が入るのは2月堂の真下の斜面。竹囲いがしてあり、すでに大勢
の人。何とか中央ぐらいに進み、何とか座る場所を確保した。
お松明の時間は7時半から。わあ2時間も待たんならん。

本でも持ってくればよかったかななどといいつつ、近くの人とおしゃべ
りをしていた。中には2時半ごろ来たという人もいる。
ブルーシートを敷いている人達は4時半ごろ来たという。早~。

ちょうど大仏殿の屋根の左側に真っ赤な夕日がぽっかりと浮かんでいる。
日のある内に腹ごしらえ。持参のおにぎりを食べた。

5時半過ぎ、夕日が消えた。

       
一般席 1本毎に入れ替えとは・・  出番を待つお松明

ますます人で埋まってきた。
「座っている人は立って下さい」と放送があった。

土の斜面は、ただ斜面ではなく、段になっている。
薄暗い中、空いた前の方に詰めた。 なるほど立った方がたくさん人が入
れる。

隣のおじさんは、名張の人で、お松明のヒノキは名張から運ばれて来るん
だとか。そういう講の関係で毎年来られているらしい。

お水取りに関わる「講」がいくつもあるらしい。
今日リボンを準備してくださった方も「講社」に関係しておられるそうだ。

おしゃべりは周りの人も巻き込んで、誰と誰が仲間なのかわからない。
おじさんがおやつのピーナツや飴をくれた。ビールまでもらった。
海苔巻き寿司も1つずついただいた。

前にも来たという友達は、ここで知り合ったおじさんに、その縁で、後日
何回か「鍼」をしてもらったというので「ええっ~うっそ~」笑ってしま
った。

そんな賑やかな中で2時間が過ぎ、階段の下が明るくなってきた。
小さな松明が登っていった。これかなと思ったら又下へ下りて行った。

そのうち大きな炎が人ごみの向こうに見え、いよいよ大松明が登ってくる
ようだ。

3月1日から始まっているお松明の、今日はクライマックス。
今日は大きいかご松明が11本のあがる。

階段を火の玉が登り、まもなく2月堂の回廊の上に到着。息を整えるよう
に回廊角で一休み(しているように見えた)。


      かご松明

風に吹かれて駕籠松明は火の玉と化している。時々それが振られると、
火の粉が舞う。


舞い散る火の粉 この燃え残りを持って帰るとよいとか

そして長い回廊を火の玉が走る!


     回廊を走る

おじさんの話では、このお松明は修行をした毎年決まったお坊さんが担当
されるそうだ。60歳ぐらいまでらしい。

なので、長い回廊を走る松明もあれば、ゆっくりの松明もあり、勢いが良
ければあれはだいぶ若いお坊さんやね。ゆっくりだとお歳の方かな?と
推測してしまう。あの大きい松明は相当体力がいるに違いない。

1本が走り終えて、右角まで到着するとまもなく、次のお松明が左の角へ上
がってくる。



見物席は竹囲いの中の「招待席」とその外の「一般席」に分かれているが、
一般席はお松明1本毎に「入れ替え」が行われる。
早くから来ていた人も1本しか見れないわけだ。

次々とお松明が進む。風の具合で間近まで火の粉が飛んでくる。
そのたびにキャアキャア すごい迫力。

松明が回廊を渡るときは「がんばれー」とか「かっこいい~」「もっと早
く~」とか見物客の中から励ましの声援やら勝手な言葉が飛ぶ。

お松明のそばには箒で火の粉を払う人がついていて、手すりや廊下に落ち
た火の粉を掃きだす。
舞台の下にも箒を持った人と消防隊員もいて、撒き散らした火の粉を消し
て廻っていた。

階段を上がってくる時も天井が燃えないかと心配になる。
1人で松明を担いで階段を登るのは大変だろう。

お松明は手すりに炎をこすり付けるように移動する時もある。
「燃えるう~」「大丈夫?」

11本すべて終わって、足元に気をつけながらその場所からでた。

お堂の中が見れるというので後に続く。
参篭所横からさっき松明が通った階段を登る。
「男性はこちらです」女性は内へは入れないらしい。
女性は回廊を通って格子の外から中を覗く。
さっき心配した手すりも階段も「やけど」の跡はなく無事だった。

格子の内側には、お坊さんが並んでいるのが見える。
そして奥の御簾の中ではお坊さんが激しく動いているのが影絵のように
見えた。
木靴の音がなっている。

お経は歌声のようだ。

講社の扉から中へ入らせてもらってもらう。お堂の中には男性客の姿も見
えた。

しばらく見て下へ下りた。今日使った松明が壁に立てかけてあった。
根付きの竹の先に燃え残りの松明がついていた。太い竹だ。

竹に担ぐ人の名前がそれぞれ書いてあった。
持ち上げようとしたが、太いものは動かない。
「走れ~」なんて言ってたけどこれは大変だ。

初めて見たお松明。
夜中には2月堂下のあか井屋(若狭井)から香水をくみ上げ本尊にお供え
する。
これがお水取り。

お松明を見たら帰ると言ったら「お水取り」を見に来たんと違うんか。何
を見に来たんや。とおじさんに言われちゃった。
また今度は泊まりで「お水取り」を見に来よう。
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