バス仕立ての観察会で、久しぶりの波瀬植物園(松阪市)
1時間余り、お隣の人とおしゃべりしているうちに到着。
ここへは2004年に初めて来てから何回か、4月下旬と6月に来ている。
10数年ぶりだが、雰囲気は変わっていない。
到着早々、おふく茶屋で「でんがら」(ホオの葉に包んだあん入りの草団子)を買う。
ガイドをお願いしてくれてあり、植物園の説明や、園内を案内していただいた。
代々林業を営む田中家が運営されている。
開業は20年前。その前20年かかって整備準備されたそうだ。
パンフレットに(石の森ガーデン)と書いてあるように、園内は岩石園のよう。
石のことはよくわからないが、素晴らしいものなのだろう。(猫に小判)
大小奇岩を配した山地のような庭園にたくさんの植物が植栽されている。
説明を聞きながら園内を歩く。
花の多い時期とは言えないが、平地では見られない植物も見れた。
ベニバナヤマシャクヤク 若い果実
熟すと果実がぱっくり割れて、中に赤い未熟種子と黒い種子のちょっとグロテスクな姿になる。
ヤマユリ ここでは「波瀬ユリ」と言われている。
開花まで後ひと息。
湿地にはコウホネ 黄色い花
早春に咲くミズバショウは花の後大きくなった葉が目立つ。
ミヤマシキミ 果実
途中の岩から枝垂れて咲いていたのは・・ケイビラン??
ガイドさんに聞けばよかったなあ。
ノリウツギ 穂咲きのアジサイ科。
樹皮に含まれる粘液を和紙製造の糊に用いる。
バイケイソウ 1個の花がどんなのか気になっていたので、つい接写。
雄しべは6個あるのがわかったが、雌しべはうまく撮れない。
花弁はちぎったようなギザギザだ。
バイケイソウの全体のいい写真がない。 ピンボケだあ。
早春の花 セリバオウレンは、果実の殻だけが残っていた。
たくさんあったので花時はきれいだろうな。
園内の石の造形
園路には湿地や池もある。
洗耳橋から櫛田川の清流
湿地で、葉の上にトンボのヤゴの抜け殻を見つけた。
大きいヤゴ。何トンボかな?
イヌビワの葉の裏に、ゼニガサミズメイガ
ツトガの仲間は「触角を背中に背負っている」のも特徴のようだ。
写真では見えにくいかもしれないが、触角がよくわかる。
お弁当の後、波瀬植物園を出て、近くの波瀬ユリが見られるという所へ行った。
立派な「波瀬ユリ」 後どのぐらいで咲くかな?
山裾の スノキ 果実が1つついていた。葉は酸っぱい。
「これは何?」呼ばれて行ってみると・・
「アクシバだ~」よく見つけたねえ。
ずいぶん高い所にあるのを見つけたメンバーの観察眼に拍手。
言ってもらわないと見過ごすところだった。
どうにか撮れたアクシバの花を拡大
花弁の先がくるりと巻いた愛らしい花。見るとうれしくなる花だ。
バスの帰りに大宇陀の「カエデの郷 ひらら」へ。
元 宇太小学校
1935(昭和10年)の建築。
2006年に閉校になり、取り壊し計画が持ち上がったが、今はNPOが運営され、趣のある木造校舎を活かし、イベント・コスプレ・カフェ・宿泊・体験など、様々な取り組みをされ、日本文化の体験も出来、海外からの客も増えているとのこと。
すばらしいと思う。
そして、もう1棟の校舎を通って、カエデ園へ。
1200種(園芸品種を入れて)3000本のカエデがあるそうだ。
この場所は元、運動場だったそうで、排水もよくなく、最初は鉢植えから始められたそうな。
今は土も整えて、地植えされている。
カエデと言えば、手のひらの形の葉をイメージするが、分裂のし方もさまざま。葉の変化も色々あって面白い。
糸のように細い葉のカエデ
「関西琴の糸」Acer amoenum Kansai Kotonoitoの品種名の札。
amoenum を見ればこのモミジがオオモミジ系であることがわかる。
葉柄が曲がりくねったモミジ 初めて見た。
これは「細葉腰蓑」Acer Palmatum とあり、イロハモミジから作り出されたものとわかる。
園芸種のモミジはこうして元のモミジから枝替わりを選抜したり、かけ合わせたり・・などして作り出されるようだ。
日本から外国に渡り、変化して又日本に帰ってくるものがあるのは他の植物にもあることだ。
カミキリムシが入り、枝が枯れたり、幹が枯れたりすることもあるそうで、見回って、それらしい穴があれば、薬剤を入れたり、虫を捕まえたりされるのだとか。
植物を育てる苦労も聞けて良かった。
これはカミキリムシの幼虫(てっぽうむし)が幹の中を食害した跡。
横穴は糞をするために空けるのだそう。
モミジといえば紅葉の秋がいいと思いがちだが「春が一番きれいです」と言われたのが印象に残った。
面白かったり、痛かったり、うれしかったり・・
3種類のカタツムリを見た。見分けはむつかしい。
殻の色が異様に黒いが・・これもミスジマイマイかな?
殻の高い、右巻きのマイマイ。ニッポンマイマイ?
中ぐらいの右巻きのマイマイ ??
エゴノキの虫こぶ2種
これは以前見たことがある。エゴノキメフクレフシ らしい。
エゴノキの葉裏に付いていた。虫こぶと思うが、不明。
よく見るエゴノネコアシとは違う虫こぶも色々あるのですね。
今日、うれしかったのは、クロコノマチョウの前蛹。
ススキが食草で、齧りあともあった。
ずいぶん前に、昆虫観察会で見たことがあってすぐわかった。
蛹になりかけで、頭を丸めているのでわかりにくいが、幼虫の頭には兎の耳のような黒い突起があり、可愛い。
成虫のチョウは地味で、見てもわからないかも。
ニガイチゴ 長い間次々果実をつけているようだ。
イチゴ摘みをした。味は・・苦くはないが甘味は少ない。
果実を採った後、残った花床。
ヒメコウゾも完熟。
一度食べた時、口触りが悪いのを知っているが・・
食べてみた。結構甘く、今日は花柱が口に残ることもなかった。
キジョラン 高い所に果実が2個見えた。
うまくカムフラージュしていて見つけにくい。
去年も1個見つけたのに、なぜか無くなってしまった。
なくならないでおくれ。
痛かった2種
①草むらを掻き分けた時、痛っ!イラクサに触れた。
あることを知っていたのにうっかり触ってしまった。
翌日までジンジン痛かった。
②高い所にジャケツイバラの果実。
写真を撮っていたら・・足元に落ちていた枯枝に足が引っ掛かり、痛っ!
引っかかったトゲを外そうとした手を引っ搔かれて負傷。
足元も要注意。
ツノハシバミ
この果序?から残ったいくつかがあの「実」になるのかな?
マツブサ 前に花を見たが、雄花かと思っていたら、果実ができていた。
果実は初めて見る。うれしい。
ヤマゴボウ科 3種
①ヤマゴボウ 果実は分かれている。
②マルミノヤマゴボウ 果実は合着して丸い。
③ヨウシュヤマゴボウ これも果実は合着している。
大阪へ行く予定だったが、早朝目覚めたら雨。
雨天決行ではあるが・・やめとこ。と二度寝。
次に目覚めたら雨はやんでいた。準備万端できてるし、まだ間に合うが・・。
天気予報は雨雨・・・気が削がれた。
外を見ると少し青空も覗いている。家にいるのももったいない気がした。
近くを歩いてこよう。
・・ということで、雨靴で、傘を持って8時に出発。
近くなので、ぐるっと回って帰ってくるつもりだったのに、帰ったのはお昼前。
それなりの見ものはあった。
うれしかった その①
途中の公園のアオギリ。
2021年7月に花が満開だったのに、12日後に行ってみたら・・
根元からバッサリと伐採され、ガックリ。
今日見てみたら、アオギリ復活。切株から萌芽したようだ。
今度は伐られませんように・・
曽我川堤防下の小道 トキワススキが繁っている。
あまり他では見かけないが、この辺には多い。
オオイヌタデ
特に見るものはないが、曽我川の堤防に出る予定で北へ。
あらっ。草が繁って行き止まり。
しばらく来ないうちにこんなことになっていた。
戻って北へ行く道を探す。
うれしかった その②
ずいぶん昔、30年~40年ぐらい前、1度、曲川の田んぼの縁で花を見たことがある。
濃い紅色で、甘い香りが印象的だった花・・。
今も忘れられず、その辺を通るたびに探してみる花・・。
休耕田の横を歩いていたら・・これはその「ニオイタデ」じゃないか?
花が見られますように・・刈られたりしないように・・。
水田が広がり、用水路にはところどころ水門がある。
横の農道を歩いただけで、水がざわめく。
カブトエビだ。人の姿がよく見えてるのか?振動を感じるのか?
敏感で、写真も撮らせてくれない。
田んぼの道を北へ・・
右に池
うれしかった その③
池の向こうに、ゴイサギ。久しぶりで見た。
(望遠で撮って切り取った)
曽我川右岸の堤防へ上がってきた。
ここから南へ歩いて帰ろう。
川の斜面を覆うアレチウリ。
途中にはマダケの竹藪がある。若竹が伸びている。
竹薮のそばにメハジキ 好きな花。何カ所かにあった。
ヒメジョオンとヤブカンゾウ
ヨウシュヤマゴボウ 茎の縦断面は仕切りがある。
堤防の生き物や昆虫。
アレチウリに、コハクオナジマイマイ
クズの葉に、コハクオナジマイマイ
前にもこの堤防でたくさん見た。
ホシハラビロヘリカメムシ クズの葉に。
アオクサカメムシの幼虫 クズの葉に。
ナガメの幼虫(左)と成虫(右)クズの葉に。
カタグロチビドロバチ? クズの葉に。
厄介者のクズだが、生き物たちにとってはありがたい植物のようだ。
イヌホオズキの仲間 葉がボロボロ。犯人は?
ニジュウヤホシテントウ(写真 矢印のところ)
面白かった その①
オオブタクサの虫食い葉をめくってみたら・・何だこれは?
黒い網がかかっている。
調べてみたら、ブタクサハムシの蛹の繭らしい。初めて見た。
面白かった その②
ススキの葉を折りたたんだ「カバキコマチグモ」の巣。
毒グモで「噛まれるので要注意!」と知っているので、触ったことはなかった。
いくつも巣があったので、1つ、そっと葉をはがしてみた。
障子紙のような網 下部に穴があって、黄色いクモの体が見えた。
刺激しないように、そっと戻しておいた。
(良い子は真似をしないように)
イトトンボの仲間は堤防下で。
そして・・ずんずん南へと歩いて行くが・・
何と。ここも行き止まりになっている。前は通れたのに。
仕方なく引き返して・・堤防を下り、ずっと東の集落を目指す。
やっとわかる場所へ出た。
スガル神社と子部神社に立ち寄って、家に向かう。
ちょっとのつもりが6㎞以上歩いた。