La douce vie

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「オレたちバブル入行組」池井戸潤

2018-11-08 | book/comic

バブル期に銀行に就職し、現在は課長の半沢直樹。

西大阪スチールの債権回収問題で、支店長に責め立てられるが、実際は支店長主導で進められた案件。挙句に粉飾決算まで判明する。

支店長は元人事部のコネクションを使って、半沢の責任にしようとするのだが・・・。半沢を手助けする中小企業の竹下さんは、探偵以上の活躍、できすぎです。

西大阪スチールの東田がなぜこの計画に手を染めるに至ったかということも、短いながらも書かれていて、盗人にも三分の理。というところでしょうか。

半沢直樹は「怒」の人でもある。仕組まれたヒアリングで、堂々と上司の責任を指摘したり、融資部の判断の不備を指摘する。誰でも、心では思っていても、その場に立たされるとこうはできない。

そして、罠にはめようとする上司たちに反撃をする。実社会では、できないことを敢えて本の中で行動してみせることで、読者は溜飲を下げる。

銀行でもどこの会社でも同じなんだなぁ、と思う。特に旧態依然とした組織が残っている会社はこういうことは珍しくないのでは・・・。

夢を持って入行した同期でも、病気になってしまったもの、上司との相性が悪かった人など、それぞれ。

最後の方で、人事は公平なわけではなく、出世する人間が仕事ができる人という訳でもない、と書いているくんだりで思わず深くうなずく人も多いのでは。