周囲で評判がよかったので、楽しみにしていたのですが、どうしても読み進まない。 古い写真館を買い取り、そこへ越してきたほのぼのとした家族。ちょっと、天然系の両親、頭のよい年の離れた弟、亡くなった妹、と、設定がよくあるマンガのよう。主人公に解決を求められたいわゆる「心霊写真」の謎を解く。 正直、どうして主人公に謎解きを頼むのか、頼める理由があると思っているのか理解できない・・・。そして、面識のない子供達に過去を話す当事者たちも。。。 うーん、この本の良さが分からない・・・と思いながら、上下巻を読み続けるのは苦しいものがありましたが、鉄路の春でようやく主人公家族の問題がクローズアップされ、やっとそこで、大きな事件より、人間関係の中でも切っても切り離せない家族関係の中にある問題こそ、宮部さんが今回描きたかったものだったのだ、と、そこで今までの話もまとめて納得できるものがありました。 それにしても、自分の中で、正義とか、親切を信じきって、とんでもない言動を繰り返す人が時々いるけど、本人が正義だ親切だと信じている分、タチが悪い。