冬はつとめて
「ゆきのころはいふべきにもあらず 霜のいと白きも またさらでも~ 」
・・・と続けば、「いとをかし」となるんだけれど、今回の状況はそんな洒落たもんじゃない。
「つとめて」は「夙(つと)」めて」と書くんだそうだ。
だから「冬は早朝」と現代語訳される。
けど、「夙」は「早い」の意味だけだから、具体的に「朝」と言ってるんじゃなくて、雰囲気からすれば「ふゆはつとめて」は「冬は早いころ(時間帯)が」くらいのもんだろう。
冬は努めなきゃ起きられない。寝ぼけている時は努める意志も薄弱だ。頭の回転は言うまでもない。
4時にセットした目覚ましに起こされたものの、もう一回鳴るだろうと寝ぼけ眼でスイッチを切り替えたのが間違いだったらしい。
CDプレイヤーの方は、数日前、音量を絞ったままだったのをすっかり忘れていた。
次に目が覚めたのは5時15分。
アッと思ったけれど、思ったって時間は巻き戻せない。
外を見ても降っている気配はない。
ウソみたいな話だが、それでもストレッチをしながら「意地でも出るぞ」と驚きの站椿1分。
出てみたら西の方、雲が低く垂れ込めている。
しかし地上との間は、はっきりとした明るい空で、雨は降っていないと分かる。
この辺りは当然のこと、まだまだ空は高く明るい。降りそうにない。
昨晩はいつもより、一合多く酒を飲んでいるから、明らかに身体の動きが鈍い。
ストレッチを十分にしていないことや、站椿を1分、なんてふざけたことをしているんだから当然か、「1合多い」以前に。
とにかく出て、歩き、折り返して暫くした辺りで、体調もそれなりになった。
だから今日は雑炊にしようかパンにしようかと少し迷ったけれど、結局パンを焼いて食べた。
「体が重いから」と、降雨予報にかこつけてそれなりに手抜き(つまり、雨が降るから散歩は中止)をしていれば、間違いなく雑炊になった。
やっぱり冬はつとめて。