CubとSRと

ただの日記

30年近く経って

2023年06月19日 | 日々の暮らし
 6月10日(土)の続き

 SRで出ようと思っていたが、夜中のうちに雨は上がっていたものの、雲は低いまま。空に張り付けられたように微動だにしない。
 当然、風は全くない。辛気臭いことこの上ない雰囲気。

 あ、とにかく洗濯だけはした。
 それとは別に、昨晩のうちに、30年近い昔に買って、でも一度も着たことのない麻のシャツジャケットを一枚、洗濯してみた。
 さすがに麻、袖を通したことがないままほったらかしにして些か以上に黄ばんでいたのがそれなりの色になる。

 もう歳を取ったから、二十年前だろうが三十年前の物だろうが平気で着ることができそうだ。
 型が古かろうが流行遅れだろうがそんなものは関係ない。何しろ「一周回ってカッコいい」なんてことがある。もう一周どころか二周も三周も回ってしまったことを経験している「高齢者様」だ。
 
 「女性の服装はレボリューション、男性の服装はエボリューション」と言われてきたけど、最近は男の服装だってレボリューション。いや、確か二十数年前だって三宮で男の巻きスカート、見たぞ?流石に下着は付けていたろうけど。

 戦前(昭和初期)、男は「三つ揃え」にソフトハットだった。敗戦でアメリカナイズされツーピースになって、ケネディ大統領の無帽姿が流行、日本人も全く帽子を被らなくなる。
 高度成長期、再び三つ揃えが「スリーピース」と名を変えて流行。
 しかしソフトハットが復権することはなく、今度はイタリアファッションが「英国風」から主役の座を奪い、スリーピースは細身のツーピースにとって代わられる。
 男の服装は流行がないように見えて微妙な違いがある。この微妙な違いが「流行」の部分で、だから一周回っても同じところに来るのではない、エボリューションとは「全く同じ」ということではない、なんて言うけれど、年月を重ねれば「主役はあくまでも本人」、とする頑固者は自然に増える。ある物を大事に使い続ければよい。
 破れたり傷んだり薄汚れたりしているものを着て、みすぼらしく見える、なんてことがなければ何でもあり、だ。
 そうでなければ年寄りが着る服なんて、ない。

 そういえばこんな話を読んだことがある。
 以前アパレル業界にいた人が、引退して身体も些か不自由になり、地味なジャージ生地の物ばかりを着るようになって何んとなし、気が滅入るようになり老け込んでいたら、奥さんが女性用の花柄のジャージーパンツを買って来た。
 勧められて試しに穿いてみたら「これ、意外にイケるじゃないか」、と。

 前に書いたと思うけど、職場に出入りしていた服屋さんが家を出てからネクタイを忘れてきたことに気づいた。
 取りに帰る時間はないから、慌ててデパートの婦人服売り場(普通、低層階にある)に駆け込み、目についたスカーフを値札だけ取ってもらってその場でアスコットスカーフ代わりに締めて女性販売員の目を点にした、なんて話もある。

 うん、貧乏ったらしく見えなければ何でもいいんだぞ、きっと。
 
コメント
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