「ただの日記」、と、言い逃れというか予防線を張って書いているこの文章。
基本は自身の頭のため。そしてあわよくば僅かでも頭の回転を速められるように、という下心を持って書いている。
というわけで、転載は言うまでもなく、再掲は当たり前、再々掲だって再々々掲だって自分のためならなんだってやるつもりでいる。
そうなると先日の宮崎氏の記事だってそれにかかわると思われる以前の日記も併せて再掲しておいた方が良かろう、と自分の視線で実行することにした。
まず、先日の日記。
書評 BOOKREVIEW
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中国、ロシア、北朝鮮のスパイから、いかに貴重な情報を守るか
敵のスパイを欺き、無力化するために何が必要か
♪
上田篤盛、稲村悠『カウンターインテレイジェンス 防諜論』(育鵬社、発売=扶桑社)
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日本はスパイ天国。スパイ防止法がないので、敵側スパイは跳梁跋扈、やりたい放題。
この無法とも言える情報筒抜け状態を憂慮する米英は、たとえ日本が同盟国といえども、機密情報の共有はない。
スパイ防止法が成立しないのは「敵の代理人」が日本にうようよ蠢いているからである。
そこで保守論壇では、近代戦での明石元二郎の諜報活動や陸軍中野学校のエリート、大川塾などの壮士、満州事変以後の大陸浪人の活躍などを大書特筆するわけだが、ちょっと待った。
日本は歴史はじまって以来、こうした方面でも本能的行動、つまり状況の把握と敵情報の通信などに工夫があったのである。
評者(宮崎)は日本史開闢以来「最初のスパイ」はオオクニヌシノミコトが因幡の白ウサギを救った神話に求める。白ウサギは求婚にいく兄弟達の行状を前もって視察することを任務とした八上比売(ヤカミヒメ)側のスパイだった。
神武天皇が肇国した朝廷が皇統後継をえらぶに際して、日向からやってきた神武先妻アヒラヒメの子タギシミミが反乱を企図した。その危機を和歌に託して知らせたのは神武皇后だったイスケヨリヒメだった。
狭韋河よ 雲起ちわたり 畝傍山 木の葉さやぎぬ 風吹かむとす
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中国、ロシア、北朝鮮のスパイから、いかに貴重な情報を守るか
敵のスパイを欺き、無力化するために何が必要か
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上田篤盛、稲村悠『カウンターインテレイジェンス 防諜論』(育鵬社、発売=扶桑社)
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日本はスパイ天国。スパイ防止法がないので、敵側スパイは跳梁跋扈、やりたい放題。
この無法とも言える情報筒抜け状態を憂慮する米英は、たとえ日本が同盟国といえども、機密情報の共有はない。
スパイ防止法が成立しないのは「敵の代理人」が日本にうようよ蠢いているからである。
そこで保守論壇では、近代戦での明石元二郎の諜報活動や陸軍中野学校のエリート、大川塾などの壮士、満州事変以後の大陸浪人の活躍などを大書特筆するわけだが、ちょっと待った。
日本は歴史はじまって以来、こうした方面でも本能的行動、つまり状況の把握と敵情報の通信などに工夫があったのである。
評者(宮崎)は日本史開闢以来「最初のスパイ」はオオクニヌシノミコトが因幡の白ウサギを救った神話に求める。白ウサギは求婚にいく兄弟達の行状を前もって視察することを任務とした八上比売(ヤカミヒメ)側のスパイだった。
神武天皇が肇国した朝廷が皇統後継をえらぶに際して、日向からやってきた神武先妻アヒラヒメの子タギシミミが反乱を企図した。その危機を和歌に託して知らせたのは神武皇后だったイスケヨリヒメだった。
狭韋河よ 雲起ちわたり 畝傍山 木の葉さやぎぬ 風吹かむとす
畝傍山 昼は雲とゐ 夕されば 風吹かむとぞ 木の葉さやげる
母の和歌の意味を悟った兄弟のなかで次兄の神沼河耳命が先制攻撃でタギシミミを成敗し、以後、建沼河耳命(アケヌナカワノミコト)となのった。第二代綏靖天皇である。情報によって危機を救った逸話こそ、スパイ戦争の本質を物語っている。
本書のまえがきにこうある。
「情報化社会において情報は武器であり、戦力である。情報を収集し活用するだけでなく、情報を守ることができなければ、混沌とした時代において国家や企業は生き残ることができない。
日本は、米国、中国、ロシアという世界大国に囲まれた厳しい地理的環境にあり、資源の大半を海外に依存している。さらに、戦後憲法による戦争放棄の制約もある。このような状況下で、日本が国際社会で生き抜くためには、かつての日本陸軍の情報参謀だった堀栄三が指摘したように、「ライオンではなくウサギの戦法」を採用し、牙や爪よりも耳を重視する必要がある。
その耳とは、積極的な海外の情報収集に長けているだけでなく、諸外国が日本に対して行っているスパイ活動や工作活動に関する微細な情報も見逃さない高度なセンサーを指す。つまり、防諜リテラシーがいかに重要かを常に意識し、その重要性を啓発していくことが求められているのである」。
政治学の基盤であるインテリジェンス、カウンターインテリジェンスの近年の実例や各国の歴史を総覧し、総合的に情報戦争を考える際には必読の一冊と言える。
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024年)8月1日(木曜日)
通巻第8350号 より
母の和歌の意味を悟った兄弟のなかで次兄の神沼河耳命が先制攻撃でタギシミミを成敗し、以後、建沼河耳命(アケヌナカワノミコト)となのった。第二代綏靖天皇である。情報によって危機を救った逸話こそ、スパイ戦争の本質を物語っている。
本書のまえがきにこうある。
「情報化社会において情報は武器であり、戦力である。情報を収集し活用するだけでなく、情報を守ることができなければ、混沌とした時代において国家や企業は生き残ることができない。
日本は、米国、中国、ロシアという世界大国に囲まれた厳しい地理的環境にあり、資源の大半を海外に依存している。さらに、戦後憲法による戦争放棄の制約もある。このような状況下で、日本が国際社会で生き抜くためには、かつての日本陸軍の情報参謀だった堀栄三が指摘したように、「ライオンではなくウサギの戦法」を採用し、牙や爪よりも耳を重視する必要がある。
その耳とは、積極的な海外の情報収集に長けているだけでなく、諸外国が日本に対して行っているスパイ活動や工作活動に関する微細な情報も見逃さない高度なセンサーを指す。つまり、防諜リテラシーがいかに重要かを常に意識し、その重要性を啓発していくことが求められているのである」。
政治学の基盤であるインテリジェンス、カウンターインテリジェンスの近年の実例や各国の歴史を総覧し、総合的に情報戦争を考える際には必読の一冊と言える。
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024年)8月1日(木曜日)
通巻第8350号 より
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「白兎海岸」と呼ばれる砂浜の海岸から低い砂丘を上り切った辺り。白兎神社は海辺の見張りのようにある。
海岸(海を越えて?)で大国主の兄弟である八十神(多くの神、の意)に酷い目にあわされた白兎が大国主によって助けられたという話は、みんな知っている。
しかしその後、八上比売の情報を伝えたり、大国主の命を救ったり、と、これが本当にあの八十神にいじめられたか弱い存在だったのかと思うような大活躍をする。しまいには白兎大神と称され祀られることになる。
この辺になると日本人でも知らない人が多いかも。
海岸(海を越えて?)で大国主の兄弟である八十神(多くの神、の意)に酷い目にあわされた白兎が大国主によって助けられたという話は、みんな知っている。
しかしその後、八上比売の情報を伝えたり、大国主の命を救ったり、と、これが本当にあの八十神にいじめられたか弱い存在だったのかと思うような大活躍をする。しまいには白兎大神と称され祀られることになる。
この辺になると日本人でも知らない人が多いかも。
関連日記
↓
「心積もりとご利益」
2020年04月03日
禊の真意はどこにあるのか、ということで、少し寄り道をしました。
自身の強い意志を以てしても耐え難い苦痛を受け入れ、徹底的に穢れを祓う。そうすることによって飛躍的な向上を実現する。現実の人間が、神に一歩近づくかもしれない。
戻ります。
兎は、兎ではなく、兎に仮託された何か、だと考える。
八岐大蛇が「背中に松や柏を生い茂らせ、八つの丘、八つの谷に伸びるほどの巨大な大蛇」と書かれているからといって、「一年に一度、老夫婦(あしなづちと、てなづち)の八人の娘を一人ずつ喰らいに来る時、背中の松や柏はどうなるんだ?」などとは、誰も言いません。
「動くたびに背中の松や柏がぶつかるだろうから、髪の毛なんかと違って大蛇もうっとうしくてしょうがないだろうな」
そんなの抱腹絶倒のコメディーです。
でも、文章を読む、或いは語るのを聞くと、そんな抱腹絶倒のコメディーの筈が、何とも壮大な「巨大な龍のような大蛇が地響きを立てて迫ってくる」大迫力の場面として想像されるばかりです。
隠岐、いやもっと向こうの韓半島までも治めていた神が、「もっと有力な神がやってくる」と知って首実検をするために準備万端整えて、今や遅しと待っていた。そこに果たして有力な神々がやってきた。
しかし、筋は通っているけれど、傲慢で思い遣りに欠け、とてもじゃないけど我が地に座してもらうべき神には見えなかった。当然、この地の姫神と結んで繁栄の基を拓く神ではない。
ところが一人遅れてやってきた大国主は、間違いなくこの地の者と仲良くやっていけそうだ。
それに、多くの物(担いでいる袋の大きさ)を持っている。(袋の中身は新しい技術や知識だと思われます)
「これは信用のできる神」と判断し、八上比売に「警戒の要なし」と連絡する。八上比売は、この地そのものと言っていいんじゃないでしょうか。
白兎は、海の向こうから追われるようにしてやって来て、この地に住み着いた難民、いや、意識としては漂着した結果、覚悟を決めて、この地を終の住処としてこの地の先住の人々と共に守り抜こうとした渡来民族なのかもしれません。そうではなくて、もしかしたら長きにわたって支配していた大陸や半島から引き揚げてきた、原日本人である引き揚げ者、かも。
だから海を眼前にする丘に棲んで、見張りのプレーリードッグのように、背伸びをしていつも海の向こうを見張っていた、と考えたらおさまりやすい。
白兎神社に参拝して、帰ろうと真正面に海を見ながら急な階段を降りる時、ここが何となく海の向こうを見張る、見張り台のような気がしてきました。そうでないと「白兎神社って、何のご利益があるんだろう」、となってしまいます。
「大国主に助けられたから、『助けられるのが上手になる』のが、ご利益」
、なんて変ですよね。それなら「白兎を助けた大国主」をこそ祀るべきでしょう。
やはりこれは、預言をしたことから「先を見通す目を持つ神」だから、
「謙虚に、真剣に他者のためを思う」、「『先見の明』が備わりますように」
、となるんじゃないでしょうか。
ご利益というのは、「ギブ、アンド、テイク」ではないし、「国益」のような、腹黒さ・狡猾・奸智・姦計等が大きく絡む、不安定な損得を指すものでもない。
「敬し、願い、努めることで、少しでも実現した願い」のことだ、となりそうです。
「祓、禊の先にあるもの」と考えれば。
「自らの意志で苦難に飛び込み、飛躍的な向上を」と考えれば。
是々非々論を振りかざすのも、他者の間違いを糾弾するのも、「自らの意志で苦難に飛び込」み、痛みに耐える(苦心する)ことをしなければ、結局はどこかの党のようにブーメランになって返ってくるばかりで、「ご利益」は夢のまた夢。