ゴールデン・ウィークも前半最後の日は、雲が多かったものの晴れ間の多い好日となりました。コシアブラ採取のため、某里山に向かいました。山道を数十分歩いてから藪山に入り、またかなり歩きます。そんなですから、ここで他の人に出会ったことはありません。風景も茫洋としているので、自分の居場所が分かっていないと遭難する可能性もあります。鶯が鳴き、鹿の糞や角研ぎが見られる以外は、本当に何もない里山です。
葉が開き始めたコシアブラ。もぎ取るといい香りがします。一本の木から全てを採ることはしません。小さいものはもちろん、半分は残します。天ぷらにするにはこれぐらいが最適です。炊き込みご飯にする場合は、炊きあがった最後に香り付けに、葉が開いていない新芽を生で刻んで入れます。
登山道も作業道もない藪山を探します。中央に二本ある灰色の木がコシアブラです。タラノメと違い、他の樹木の芽吹きも始まっているので、確実な同定ができないと採れません。誤って有毒の芽を摘んでしまう可能性もあります。道の駅やスーパーの産直コーナーで買い求めるのが賢明です。
(左)葉が開く前のもの。芽吹いたばかりのもの。すっかり葉が開いたもの。様々です。(右)日が差して輝く楓の若葉。この向こうにコシアブラが。採取には、キブシの枝で作った用具を使います。
採集を終えて、遅い昼餉をしようと茶臼山に寄りました。拙書でも紹介の北アルプス展望台からの仁科三山。左から爺ヶ岳、日本で五番目、信州では初の氷河が確認された鹿島槍ヶ岳、武田菱の雪型で有名な五竜岳。眼下には山布施の長閑な風景が広がっています。大彦命を祖とする望月氏の後裔の布施氏が栄えた里です。茶臼山も戦国時代以前の古い山城です。茶臼ケ城、修那羅城、篠ノ城と麓の岡田集落まで長い山城の遺構が残っています。
山桜は散り始めました。林檎の花やマルバアオダモの花、八重桜が満開です。遅い昼食をと思っていたら、埼玉から来たご夫婦が。拙書を紹介しましたが、こんなマイナーな里山にわざわざ来てくれて嬉しいですね。中尾山温泉に下るというので、松仙閣のお見合い風呂の話をしたら笑っていました。茶臼山ハイキングの帰りにはぜひ入ってみてください。
(左)帰りに久しぶりに茶臼山自然植物園に寄りました。こんな上まで来る人はほとんどいないのですが、女性が二人。園芸種には疎いので聞くと、チューリップの原種じゃないでしょうかと。藤の花を見に来たそうですが、残念ながらまだ咲いていません。(右)純白のユキヤナギが微風に揺れています。
(左)ウバユリ(姥百合)の群生地がありました。山菜ですが、発芽してから花をつけるまで7年もかかります。(右)タンポポ(蒲公英)。総苞がひっくり返っていないのでシナノタンポポかと思いますが、確かなことはDNAレベルまで調べないと分かりません。レイ・ブラッドベリの小説『たんぽぽのお酒』を思い出します。
(左)あちらこちらにタチツボスミレ(立坪菫)の群生地。日本に200種以上あるアリ散布植物のひとつです。(右)茶臼山にたくさん見られるモミジイチゴ。クマイチゴと共に、野生の木苺の中では最も美味しい種類です。車に戻ると、地元の若いご夫婦と邂逅。山菜を採ってきたようですが、なんだか分からないと。多くはハリギリでした。美味しいですよと。少しコシアブラもあげました。もちろん拙書とブログの紹介も。
最近、若い人が里山歩きをしてくれるようになって嬉しいですね。トレラン、マウンテンバイクも大歓迎です。友人が、この茶臼山にマウンテンバイクのシングルトラックのコースを作るべく活動をしています。いつものように温泉に入って、おつまみを買って帰路につきました。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
葉が開き始めたコシアブラ。もぎ取るといい香りがします。一本の木から全てを採ることはしません。小さいものはもちろん、半分は残します。天ぷらにするにはこれぐらいが最適です。炊き込みご飯にする場合は、炊きあがった最後に香り付けに、葉が開いていない新芽を生で刻んで入れます。
登山道も作業道もない藪山を探します。中央に二本ある灰色の木がコシアブラです。タラノメと違い、他の樹木の芽吹きも始まっているので、確実な同定ができないと採れません。誤って有毒の芽を摘んでしまう可能性もあります。道の駅やスーパーの産直コーナーで買い求めるのが賢明です。
(左)葉が開く前のもの。芽吹いたばかりのもの。すっかり葉が開いたもの。様々です。(右)日が差して輝く楓の若葉。この向こうにコシアブラが。採取には、キブシの枝で作った用具を使います。
採集を終えて、遅い昼餉をしようと茶臼山に寄りました。拙書でも紹介の北アルプス展望台からの仁科三山。左から爺ヶ岳、日本で五番目、信州では初の氷河が確認された鹿島槍ヶ岳、武田菱の雪型で有名な五竜岳。眼下には山布施の長閑な風景が広がっています。大彦命を祖とする望月氏の後裔の布施氏が栄えた里です。茶臼山も戦国時代以前の古い山城です。茶臼ケ城、修那羅城、篠ノ城と麓の岡田集落まで長い山城の遺構が残っています。
山桜は散り始めました。林檎の花やマルバアオダモの花、八重桜が満開です。遅い昼食をと思っていたら、埼玉から来たご夫婦が。拙書を紹介しましたが、こんなマイナーな里山にわざわざ来てくれて嬉しいですね。中尾山温泉に下るというので、松仙閣のお見合い風呂の話をしたら笑っていました。茶臼山ハイキングの帰りにはぜひ入ってみてください。
(左)帰りに久しぶりに茶臼山自然植物園に寄りました。こんな上まで来る人はほとんどいないのですが、女性が二人。園芸種には疎いので聞くと、チューリップの原種じゃないでしょうかと。藤の花を見に来たそうですが、残念ながらまだ咲いていません。(右)純白のユキヤナギが微風に揺れています。
(左)ウバユリ(姥百合)の群生地がありました。山菜ですが、発芽してから花をつけるまで7年もかかります。(右)タンポポ(蒲公英)。総苞がひっくり返っていないのでシナノタンポポかと思いますが、確かなことはDNAレベルまで調べないと分かりません。レイ・ブラッドベリの小説『たんぽぽのお酒』を思い出します。
(左)あちらこちらにタチツボスミレ(立坪菫)の群生地。日本に200種以上あるアリ散布植物のひとつです。(右)茶臼山にたくさん見られるモミジイチゴ。クマイチゴと共に、野生の木苺の中では最も美味しい種類です。車に戻ると、地元の若いご夫婦と邂逅。山菜を採ってきたようですが、なんだか分からないと。多くはハリギリでした。美味しいですよと。少しコシアブラもあげました。もちろん拙書とブログの紹介も。
最近、若い人が里山歩きをしてくれるようになって嬉しいですね。トレラン、マウンテンバイクも大歓迎です。友人が、この茶臼山にマウンテンバイクのシングルトラックのコースを作るべく活動をしています。いつものように温泉に入って、おつまみを買って帰路につきました。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。