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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の貝母は散り始め結実。初夏の花が咲き始め、山椒の若葉と八重桜の花を摘む(妻女山里山通信)

2019-05-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年も何百人も訪れてくれた陣場平の貝母も散り始め、結実し始めました。連休なのでたくさんの人が訪れてくれました。貝母目当ての人や、貝母を知らずに訪れた人も。鞍骨山へ向かった方も大勢いました。多くの方と接して、妻女山山系の自然や歴史をお話することができました。里山の魅力と大切さを多くの方に知って体験していただければと思います。

 陣場平の貝母(編笠百合)。花はしぼんで散り始めていますが、結実し始めました。

(左)陣場平へ来る前には、仲間のワイン用のメルローの畑で農作業。今回は午前中に終わり、木漏れ日の下でゆるゆると昼餉を楽しみました。(右)左は私が採ってきたコシアブラとハリギリの天ぷら。他には今が旬のアスパラガス、春掘りの甘い長芋。茄子、人参、地物の蓮根、私達が作っている原木栽培の椎茸など。岩塩をつけていただきます。手前のピンクの箱は、私が持参した200cc4本で5400円という超高級ぶどうジュース。皆感嘆していました。

(左)貝母の実です。まだ5ミリぐらいですが、20ミリぐらいになり、弾けて種を飛ばします。(右)陣場平のウワミズザクラが咲き始めました。風に揺れる花穂(かすい)が綺麗です。とても桜に見えませんが、ひとつひとつの小さな花をよく見ると確かに桜です。

(左)陣場平のズミ。林檎の台木に使われた樹木です。(右)ヒメオドリコソウで吸蜜するキアゲハ。春型なので小さいのですが、これをヒメギフチョウと間違われる方がいます。残念ながら妻女山には食草がないのでいません。近くの山にはいます。

(左)シロヤブケマン。なぜか妻女山山系にはムラサキケマンはほとんどなくこれが主です。ケマンというのは仏具で、元々は生花で造られたリング状の環(花環)のことです。(右)ホタルカズラ。赤紫は蕾です。陣場平の入り口に小さな群生地があります。

 マルバアオダモの花穂。モクセイ科トネリコ属の落葉高木です。風に揺れて美しい。別名は、ホソバアオダモ、トサトネリコ、コガネアオダモ、コガネヤチダモとたくさんあります。中尾山のものは、花穂が大きく別種と思われます。

(左)妻女山駐車場から右の農道を長坂峠に登る6号カーブの上にイカリソウの群生地があります。中国植物名は淫羊藿(いんようかく)といい、その根は強壮剤です。(右)妻女山への登り口に咲くクサノオウ。毒草です。近くの小学生がこの時期に遠足で訪れるのですが、ついつい触ってしまいます。ある時、先生にそのことを話したら、子供達に何か話してくださいと言われ、拙書の写真を見せながら話したことがあります。一番前に熱心に質問してくれる男の子がいて助かりました。これからカモガヤがはびこりますが、長野県の小学生の花粉症の7割がこれが原因ともいわれています。通学路に多く、ついつい触ってしまうのでしょうね。

(左)山椒の若葉。市販の木の芽と違い甘い香りがあります。これを摘んで山椒味噌を作ります。鮎や鰆、太刀魚などの焼き魚にぬったり、焼きおにぎりに。そのままでも酒の肴になります。超絶美味です。雄株と雌株がありますが、これは雌株。山椒の実で作る縮緬山椒は絶品です。レシピはモリモリレシピの和食で紹介しています。(右)八重桜。この花弁を塩漬けにします。あんぱんに加えたり、桜茶にしたり。

(左)山藤も咲き始めました。これも天ぷらで食べられます。実も炒って食べられます。(右)斎場山の西にある大きな猪のヌタ場(泥浴び場)。昨夜つけられた足跡がありました。近くの木には体を擦り付けた跡がたくさん見られます。鶯の鳴き声が聞こえます。もうすぐカッコウも鳴き出すでしょう。

 斎場山。山頂は古代科野国の円墳です。ここが古くは地元で妻女山と呼んでいた山です。現在の妻女山は赤坂山です。妻女山は江戸時代におそらく松代藩がつけたもので、本名は斎場山です。その由来は、拙書で詳しく説明していますし、このブログでも何度も詳しく記しています。

 妻女山入り口の国道403号線のアメリカハナミズキが満開です。畑では名産の長芋の農作業が行われています。緑の帯は千曲川の堤防。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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