モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ウスバシロチョウ舞う妻女山陣場平で帰化植物の除去作業。ツツジ満開の堂平大塚古墳でゆるゆると昼餉(妻女山里山通信)

2019-05-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が26度の中、川中島の戦いで上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。貝母(編笠百合)の群生地にはびこる帰化植物の除去に行きました。落葉松の丸太のベンチに二人の男性が。こんにちはと挨拶すると林さんですか?と。ブログを見てくれているそうです。ぜひ拙書もお買い求めくださいと宣伝(笑)。

 貝母の保護活動の話や、古代科野国の話などを。その後、鞍骨山へ向かわれました。除去しても出てくるハルジオンを抜き、ノイバラの根を掘り出し、出始めたオオブタクサを抜きました。ウスバシロチョウがたくさん舞っています。

(左)陣場平に咲くこれはミツバツチグリ。大きな三つ葉があります。(右)これはヘビイチゴ。ヤブヘビイチゴはもう少し葉も花も大きく、実は艶があります。ヘビイチゴは艶がありません。実は毒ではありませんが無味。春のバラ科の黄色い花は、他にオヘビイチゴ、クサイチゴ、ツルキンバイ、キジムシロなどがあり、どれも同じ様に見えるので同定が難しいのです。

(左)ホタルカズラ(蛍葛)の群生地もほぼ満開です。ムラサキ科ムラサキ属の多年草。この季節、妻女山山系で青い花は珍しいので小さいけれど目立ちます。(右)ギンラン(銀蘭)も咲き始めました。これでほぼ満開です。菌根菌との共生関係にあるので、これを持ち帰っても育ちません。園芸店でもしこれが売られていたら盗掘品です。5箇所ほど群生地を知っているのですが、その菌根菌はある特定の樹木とも共生関係にあるのではと考えています。ハモグリバエの仲間の被害に遭うことがあるようです。林床の藪を刈って明るくしてやることも必要なようです。

(左)斎場山(旧妻女山)の山頂は、古代科野国の古墳(円墳)です。登った帰りのご夫婦と邂逅。麓は26度ですが、山頂は23度。3度も低いのです。爽涼な風も気持ちがいい。(右)葉の上でウスバシロチョウが休憩中。なかなか吸蜜できる花が見つからないのでしょう。昼はKさんのログハウスへ。

 斜面に咲いていたシロバナ。モイワナズナがあるはずもなく。アブラナ科というのはすぐに分かりますが。葉を見て見当がつきました。調べるとコンロンソウでした。特に珍しい花ではありませんが、妻女山山系ではあまり見かけませんね。

 今は亡き山仲間で大切な友人だったKさんが丹精込めて育てた数々のツツジが満開になりました。これは妻女山山系のあちこちで見られるヤマツツジ。

(左)ヤマツツジは、北信の里山ではあちこちで見られる最もお馴染みの躑躅です。(右)湯の丸山とかあちこちの高原に群生地があるレンゲツツジ。綺麗ですが有毒なので決して庭木で植えてはいけません。以下は園芸種のツツジ。

(左)鮮やかなマゼンタ(紅紫色)のツツジ。(右)ヤマツツジに似ていますが、花が小さくより鮮やかです。ツツジは昔から愛好され改良されてきたので種類が多く、正確な同定は非常に困難です。在京時代は、トウゴクミツバツツジを見に行くのが楽しみでした。

(左)白にピンクで赤い斑点がある可憐なツツジ。(右)クマバチが盛んに吸蜜していました。クマバチは、その体のお大きさに比して翅が小さいので、航空力学的には飛べないと不思議なことをいわれてきましたが、レイノルズ数によって飛べることが証明されました。そんなことも知らずクマバチは吸蜜に夢中です。

(左)小さくて可憐なツツジです。(右)シロバナのツツジは、琉球ツツジの一種でしょうか。他のツツジより開花が遅めです。満開のツツジを愛でながら、ゆるゆると昼餉を楽しみました。

(左)山椒の若葉。山椒味噌を作るのには最適です。たくさん摘むのは本当に大変です。(右)桐の花が満開です。白粉臭い香りです。昔は女の子が生まれると、お嫁に行く時に箪笥を作るために桐を植える習わしがあった地方もあるとか。

 松代城跡方面の眺め。右後方に見える根子岳と四阿山もずいぶんと積雪が少なくなりました。ただ登山にはまだアイゼンとか冬山の装備が必要です。里は暑さも感じられるほどの日もありますが、里山は数度も気温が下がります。里山ハイキングには最高の季節です。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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コメント (2)
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