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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平に山蕗を採りに、花の中で保全作業も。大量の倒木に呆然。北ア絶景(妻女山里山通信)

2019-05-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今朝の長野市の最低気温は1.7度。霜も下りました。結実し始めた陣場平の貝母(編笠百合)。花はしぼんで散り始めていますが、実は毎日大きくなっています。大きなものは直径1センチほどに、最後は2センチ以上になって茶色くなると弾けて種を飛ばします。7月に妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで、帰化植物の除去作業や貝母の種や球根を蒔いたり植え付ける作業をします。

 貝母の隣の山蕗のが育ってきました。大きいものだけ採ります。ここは日当たりが良いので最初に大きくなりますが、わりと早く固くなってしまいます。ここまで登って来なくてもずっと下で採れるので、ここまで来る人はいませんね。今回は斎場山まで来たご夫婦と邂逅しました。

(左)貝母の実。糸巻き状の中央に縦に6本種が詰まっています。(中)山蕗の葉。葉は切ってその場に捨てて茎だけ持ち帰ります。(右)たくさんのウスバシロチョウが舞い始めました。しかし、吸蜜する花がないので止まってくれません。ハルジオンでも吸蜜するのですが、ハルジオンは環境省の定める有害外来植物100選に入っていて、陣場平では貝母に侵入していくので取り除きます。シナノタンポポがあるので、それで吸蜜するでしょう。

(左)前の記事で載せたウワミズザクラが逆光気味だったので撮影し直しました。花穂のひとつひとつの小さな花が桜です。(右)ガマズミの花も咲き始めました。これは葉が小さなコバノガマズミ。

 ヤマツツジもあちこちで咲いています。これの蜜は吸えますが、高原に咲くレンゲツツジは有毒です。庭木で植えてはいけません。拙書の上田の太郎山のページでは、伝説の「血染めのツツジ」の秘話を書いています。

 鳥の囀りが聞こえる、けれども静かな陣場平で1時間ほど山蕗を採りました。山蕗は身欠きにしんと干しホタルイカ、サザエ、仲間と育てた原木椎茸、日高昆布、和風出汁、酒、味醂、醤油で炊きました。山蕗に出汁がしみて馬鹿旨です。

(左)その後はハルジオンとノイバラの除去。小さなノイバラに見えますが、地下茎を掘り起こすと二つに別れて、それぞれ70センチぐらいありました。(中)作業に使う山鍬(ヤマクワ)。(右)山蕗の中にマムシグサ。毒草ですが、ちょっと神秘的で魅力的な野草です。

 その後、堂平大塚古墳へ。Kさんの弟さんが、作業に来ていてお昼を食べていました。しばらく歓談。北アルプスが綺麗です。そして、前回発見して呆然とした大量の倒木を撮影に谷の向こうへ。この冬は、積雪は少なかったものの、突風が吹く日が多く、大きくなりすぎた落葉松がバタバタと倒れてしまったのです。

 掛かり木になっているものが多く、処理作業は非常に危険です。20本以上倒れていますが、放って置くしかないでしょう。持ち主は分かっていますが、ここで出会ったことはありません。もう何十年も来たこともないでしょう。こうして里山は荒れていくのです。おそらく戦後植林した落葉松林ですが、資源の無駄になるのはもったいないですね。

 妻女山展望台は桜の葉が生い茂って展望が悪いので、その下の道路からの白馬三山。山頂が4割崩落した虫倉山と地滑りで南峰が崩れてしまった茶臼山。両山とも拙書に載せています。

 その二つ下のカーブに咲くマルバアオダモ。風に揺れて木漏れ日に白く光っています。

 温泉と買い物に行く途中で土口水門からの仁科三山。右に鹿島槍ヶ岳、左に爺ヶ岳。冬の渡り鳥はもういませんが、真ん中の河原に白い鳥がいます。チュウサギだと思います。近くの山に巣があるので。あまり雨が降っていないので、千曲川の流れは穏やかで少なめです。河原のドロヤナギやニセアカシア(ハリエンジュ)の緑も濃くなってきました。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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