長梅雨の貴重な晴れ間ということで、朝から撮影にでかけました。新しい一眼レフを買ったので、その試し撮りもやっとできました。今回は、色々なエフェクトやら特殊な機能は使わずにノーマルで。まず妻女山奥の陣場平の手前にあるコナラの樹液バーへ。鞍骨山から下りてきた顔見知りの男性と邂逅。登山道の情報を尋ねました。
カブトムシ三匹とアオカナブン一匹。寂しいですね。新型コロナウィルスで酒場に来るのを自粛しているのでしょうか。そうではありません。暖かすぎた3月に寒く遅霜に襲われた4月、そしてこの長雨。昆虫にとっても厳しい夏になりました。左のバックナンバーから、昨年以前の7月、8月の記事をご覧頂くと、今年の寂しさが分かると思います。
左のカブトムシ二匹はペアです。以前の記事にも書きましたが、メスが吸汁中はオスはずっとメスに覆いかぶさって守るのです。で、警戒音を発するのですが、このオスは無言でした。周りに警戒すべき昆虫がいないからでしょう。今年のカブトムシは小さめです。幼虫期間に充分な栄養が摂取できなかったと思われます。
1時間半後ぐらいに再び訪れました。メスが上に移っただけでほとんど変わりません。雨が多く樹液の出が悪いのです。梅雨明けして晴れると、樹木は水分を激しく吸い上げるようになります。すると樹液も大量に出ます。吹き出た樹液は白い結晶となります。空気に触れると発酵し、微量のアルコール分も含まれます。たくさん飲みすぎたオオスズメバチが千鳥足で歩いたり、木から落ちることもあります。それが樹液バーとか樹液酒場といわれる所以です。この後、アオカナブンは酔っ払ったのか突然ボトッと地面に落下しました。
●カブトムシのオスがメスを守る際に出す奇妙な鳴き声。花と虫と万葉集(妻女山里山通信)
カブトムシの目と触覚。視力はよくないようです。下唇が変化してオレンジ色のブラシ状となった口で樹液や果実の汁を吸うのですが、オスの場合はその角が邪魔になって口が樹液に届かないこともあります。
久しぶりの陣場平。貝母は枯れて倒れて土に還る途中です。中央のクマノミズキは、緑色の実がなっています。ヒグラシが鳴いていますが、アブラゼミやミンミンゼミなどの夏ゼミはまだです。アカタテハが一頭舞っていました。
(左)ヒヨドリバナ。ミドリヒョウモンが吸蜜に飛来しました。(右)セリバオウレンは種が飛んでいます。増えてくれるといいのですが。冬に他の草が枯れても葉が緑なのでニホンカモシカに食べられてしまいます。なにか対策を立てなければと考えています。
(左)シオヤアブがなにか獲物を捕まえています。(右)フキバッタ。翅が退化して飛べないので地域変異が大きい種です。夏になるとメスは、林道の砂地に腹を差し込んで産卵します。以前はこれをミヤマフキバッタと記していたのですが、どうもそうではないらしい。正確な同定はできませんが、ミカドフキバッタに似ています。
倒木に苔。上に伸びているのは苔の胞子嚢です。ここから胞子を飛ばして増えていきます。手ブレ補正が強力なので、もう少し絞って被写界深度を深めたほうがよかったと思います。使い始めなのでまあこんなものです。
(左)昼は堂平大塚古墳へ。ログハウスを借りて昼食です。下の写真にあるナス、モッツァレラチーズ、トマト、油味噌のおやきを冷やしてきました。美味です。(右)西山方面と千曲川。北アルプスは雲の中。
突然一頭のオオムラサキのオスが飛来して、水道の凍結防止のテープに止まりました。水の匂いがするのでしょうか。しかし、相当に翅が傷んでいますね。樹液が出る前は、地上のイノシシの糞などを吸います。そのときに蛇やトカゲに襲われることがあるのです。拙書では、コラムで翅をほとんど食われたオオムラサキのメスの記事を紹介しています。
(左)「み、み、み、水〜…」という声が聞こえてきそうです。(右)黒い点は偽瞳孔。
下山して林道倉科坂線へ。もう散っているだろうと思ったネムノキが満開でした。そうか真ん中のは実ではなくて、これから咲く蕾(つぼみ)なんですね。
美しいです。フックになる木の枝を探して、下げて撮影しました。繊細で美しい花です。
幻のキノコ、ハナビラタケを発見。ハナビラタケ(Sparassis crispa)は、担子菌門ハラタケ綱タマチョレイタケ目ハナビラタケ科ハナビラタケ属。これは幅が25センチ、高さが15センチありました。βグルカンが豊富で栽培もされていますが、大変高価なキノコです。腐朽菌で側にある落葉松か赤松の仮導管の壁を貫通して菌糸が蔓延しているはずです。
天ぷら、湯がいてサラダ、クリームパスタ、アヒージョ、豚肉と中華炒めなどに。冷凍保存や乾燥保存もできます。幻といわれるのは、発生時期が梅雨時でいわゆるキノコ狩りの季節でなく、舞茸などと同じくシロを知らないと採れないキノコだからです。一度出たら同じところからは数年出ません。
戻って妻女山展望台へ。善光寺平の眺め。戸隠や飯縄山の稜線は雲の中。夏の匂いがしますが蒸し暑い。梅雨は明けそうにありません。フィリピンの火山が大爆発して冷夏になり米不足だった1993年に似ています。今年はフィリピンに加えてインドネシアでも大規模な火山噴火が起きています。
今回新調したカメラです。オリンパスの新フラッグシップモデル、OM-D E-M1 MarkⅢ。レンズは、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. H-ES12060とM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroです。ラバーフードなのは、ハーネスを付けてカメラを首から下げて岩登りをすることがあるからです。そのためフルサイズの一眼では大きすぎて重すぎるのです。敷いてある手ぬぐいは、国立科学博物館の南方熊楠展で買い求めたもの。描いてあるのは粘菌です。拙書はすべてオリンパスE-330で撮影したのですが、これはそれより小さく遥かに高機能です。使いこなすにはしばらく時間が必要です。
お昼に食べたのは前日に作った丸茄子のおやき。右の二つは、祖先を同根とする女性が発案したもので、丸茄子、モッツァレラチーズ、トマト、油味噌をおやきにしたもの。粉は、友人が作ったイガチクオレゴン(伊賀筑後オレゴン:通称イガチク)。これは絶妙なハーモニーで、たいへん美味でした。その左は、タラの内臓のキムチ、チャンジャを挟んだもの。これも美味でした。左端は、通常の油味噌に柚子胡椒を入れたもの。なんとこれが一番微妙な味でした。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
カブトムシ三匹とアオカナブン一匹。寂しいですね。新型コロナウィルスで酒場に来るのを自粛しているのでしょうか。そうではありません。暖かすぎた3月に寒く遅霜に襲われた4月、そしてこの長雨。昆虫にとっても厳しい夏になりました。左のバックナンバーから、昨年以前の7月、8月の記事をご覧頂くと、今年の寂しさが分かると思います。
左のカブトムシ二匹はペアです。以前の記事にも書きましたが、メスが吸汁中はオスはずっとメスに覆いかぶさって守るのです。で、警戒音を発するのですが、このオスは無言でした。周りに警戒すべき昆虫がいないからでしょう。今年のカブトムシは小さめです。幼虫期間に充分な栄養が摂取できなかったと思われます。
1時間半後ぐらいに再び訪れました。メスが上に移っただけでほとんど変わりません。雨が多く樹液の出が悪いのです。梅雨明けして晴れると、樹木は水分を激しく吸い上げるようになります。すると樹液も大量に出ます。吹き出た樹液は白い結晶となります。空気に触れると発酵し、微量のアルコール分も含まれます。たくさん飲みすぎたオオスズメバチが千鳥足で歩いたり、木から落ちることもあります。それが樹液バーとか樹液酒場といわれる所以です。この後、アオカナブンは酔っ払ったのか突然ボトッと地面に落下しました。
●カブトムシのオスがメスを守る際に出す奇妙な鳴き声。花と虫と万葉集(妻女山里山通信)
カブトムシの目と触覚。視力はよくないようです。下唇が変化してオレンジ色のブラシ状となった口で樹液や果実の汁を吸うのですが、オスの場合はその角が邪魔になって口が樹液に届かないこともあります。
久しぶりの陣場平。貝母は枯れて倒れて土に還る途中です。中央のクマノミズキは、緑色の実がなっています。ヒグラシが鳴いていますが、アブラゼミやミンミンゼミなどの夏ゼミはまだです。アカタテハが一頭舞っていました。
(左)ヒヨドリバナ。ミドリヒョウモンが吸蜜に飛来しました。(右)セリバオウレンは種が飛んでいます。増えてくれるといいのですが。冬に他の草が枯れても葉が緑なのでニホンカモシカに食べられてしまいます。なにか対策を立てなければと考えています。
(左)シオヤアブがなにか獲物を捕まえています。(右)フキバッタ。翅が退化して飛べないので地域変異が大きい種です。夏になるとメスは、林道の砂地に腹を差し込んで産卵します。以前はこれをミヤマフキバッタと記していたのですが、どうもそうではないらしい。正確な同定はできませんが、ミカドフキバッタに似ています。
倒木に苔。上に伸びているのは苔の胞子嚢です。ここから胞子を飛ばして増えていきます。手ブレ補正が強力なので、もう少し絞って被写界深度を深めたほうがよかったと思います。使い始めなのでまあこんなものです。
(左)昼は堂平大塚古墳へ。ログハウスを借りて昼食です。下の写真にあるナス、モッツァレラチーズ、トマト、油味噌のおやきを冷やしてきました。美味です。(右)西山方面と千曲川。北アルプスは雲の中。
突然一頭のオオムラサキのオスが飛来して、水道の凍結防止のテープに止まりました。水の匂いがするのでしょうか。しかし、相当に翅が傷んでいますね。樹液が出る前は、地上のイノシシの糞などを吸います。そのときに蛇やトカゲに襲われることがあるのです。拙書では、コラムで翅をほとんど食われたオオムラサキのメスの記事を紹介しています。
(左)「み、み、み、水〜…」という声が聞こえてきそうです。(右)黒い点は偽瞳孔。
下山して林道倉科坂線へ。もう散っているだろうと思ったネムノキが満開でした。そうか真ん中のは実ではなくて、これから咲く蕾(つぼみ)なんですね。
美しいです。フックになる木の枝を探して、下げて撮影しました。繊細で美しい花です。
幻のキノコ、ハナビラタケを発見。ハナビラタケ(Sparassis crispa)は、担子菌門ハラタケ綱タマチョレイタケ目ハナビラタケ科ハナビラタケ属。これは幅が25センチ、高さが15センチありました。βグルカンが豊富で栽培もされていますが、大変高価なキノコです。腐朽菌で側にある落葉松か赤松の仮導管の壁を貫通して菌糸が蔓延しているはずです。
天ぷら、湯がいてサラダ、クリームパスタ、アヒージョ、豚肉と中華炒めなどに。冷凍保存や乾燥保存もできます。幻といわれるのは、発生時期が梅雨時でいわゆるキノコ狩りの季節でなく、舞茸などと同じくシロを知らないと採れないキノコだからです。一度出たら同じところからは数年出ません。
戻って妻女山展望台へ。善光寺平の眺め。戸隠や飯縄山の稜線は雲の中。夏の匂いがしますが蒸し暑い。梅雨は明けそうにありません。フィリピンの火山が大爆発して冷夏になり米不足だった1993年に似ています。今年はフィリピンに加えてインドネシアでも大規模な火山噴火が起きています。
今回新調したカメラです。オリンパスの新フラッグシップモデル、OM-D E-M1 MarkⅢ。レンズは、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. H-ES12060とM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroです。ラバーフードなのは、ハーネスを付けてカメラを首から下げて岩登りをすることがあるからです。そのためフルサイズの一眼では大きすぎて重すぎるのです。敷いてある手ぬぐいは、国立科学博物館の南方熊楠展で買い求めたもの。描いてあるのは粘菌です。拙書はすべてオリンパスE-330で撮影したのですが、これはそれより小さく遥かに高機能です。使いこなすにはしばらく時間が必要です。
お昼に食べたのは前日に作った丸茄子のおやき。右の二つは、祖先を同根とする女性が発案したもので、丸茄子、モッツァレラチーズ、トマト、油味噌をおやきにしたもの。粉は、友人が作ったイガチクオレゴン(伊賀筑後オレゴン:通称イガチク)。これは絶妙なハーモニーで、たいへん美味でした。その左は、タラの内臓のキムチ、チャンジャを挟んだもの。これも美味でした。左端は、通常の油味噌に柚子胡椒を入れたもの。なんとこれが一番微妙な味でした。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。