モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

黄昏のきのこ狩り(妻女山里山通信)

2009-10-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 山の日暮れは早く、特に秋も深まってくると釣瓶落としになります。夕暮れになると熊や猪なども活動を始めるので気を付けなければなりません。今回は1時間半位で狙ったポイントのみを回りました。台風20号で30ミリほど雨が降ったために山はかなり湿っています。落ち葉もかなり積もってきたのできのこ探しも大変。いわゆる「きのこ目」がないと見えてきません。慣れないと枯葉がみなきのこに見えるのです。

 熊鈴は持ってこなかったので、声と杖代わりの太い枝で木をたたいて大きな音を出します。倍速で尾根道を登り、ニホンカモシカの大きな糞場のある鞍部へ。思った通り時候坊(花猪口)がたくさん出ていました。雨露に濡れて夕日に光っています。藪を突き進むと蝶にしかみえない蛾、イカリモンガが舞い立ちました。

 結局30本ほど採ったでしょうか。暮れ始めた薄暗い森を抜けて、夕日の当たる林道へ出ると、ナツヅタが燃えていました。蔦(ツタ)には、紅葉するナツヅタ(ブドウ科)と、紅葉しない常緑のフユヅタ(ウコギ科)があります。そして触るとかぶれるツタウルシ(ウルシ科)。これも紅葉します。ナツヅタは紅葉するため、モミジヅタともいいます。甘いシロップがとれるためアマヅラともいいます。『枕草子』「あてなるもの(上品な良いもの)」の段に、「削り氷(ひ)にあまづら入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる」とあり、清少納言のお気に入りだったようです。

 「紅葉蔦 燃ゆる越路の 清野坂」  林風

 「あまづらの けづりひにほふ 生絹(すずし)かな」  季節外

 帰路にわが家の山に寄って栽培している栗茸を採取しました。モエギタケ科のきのこは、軸が固くて消化が悪いため、栗茸も軸は1センチほどで切り落とし傘のみを食べます。細胞が球形のためか壊れにくくそのままでは、あまり出汁も出ないのですが、冷凍すると壊れるのか旨味がでて美味しくなります。栗茸というのは栗の木によく出るからなのですが、栗の木は心材がほとんどで辺材が少ないため他のきのこは生えにくいのです。そのため栗の木からは、主に栗茸が出ます。

★きのこ料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。色々あります。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。トレッキング・フォトルポにない写真もたくさんアップしました。

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