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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

真田十万石の城下町、松代の旧樋口家住宅で、「松代の歴史と自然」について講演をしました。松代城址と妻女山陣馬平と川中島の眺め(妻女山里山通信)

2020-11-14 | 歴史・地理・雑学
 真田十万石の城下町、松代の旧樋口家住宅で、ひまわりの会の方達の依頼で、「松代の歴史と自然」について講演をしました。樋口家は江戸時代、松代藩10万石を治めた真田家の家臣として、藩の目付役などを務めた家柄。松代城や真田邸、真田宝物館にも近く、この日も休日とあって県内県外ナンバーの車がたくさん訪れていました。

(左)旧樋口家住宅の門。向かいには新御殿(真田邸)と公園。入場無料です。講演中も何人もの観光客が訪れました。(右)松代の歴史ですが、戦国時代以降は皆さんご存知ですので、今回は古代史を中心にお話しました。松代の古名は海津ですが、その由来となる一説を解説し、倭国大乱から春秋戦国時代の古代中国史へと話は遡りました。信州に関係の深い出雲族、安曇族など古代科野国へ。縄文時代と石器時代へも言及。そして、行くべき歴史館や美術館なども紹介しました。諏訪大社と守矢氏、世界的な建築家、藤森照信氏についても。松代の長国寺にもある幕末から明治にかけて活躍した宮彫り氏の北村喜代松の話も。基本小難しい話なので、途中では笑いもとりながら。楽しんでいただけた様で幸いです。関連記事は、右上の検索窓に知りたい単語を入力し、プルダウンメニューでこのブログ内でを選ぶと当該記事がご覧いただけます。こんな形での地域参加や貢献は、色々な形でしていければと思っています。

(左)講演後は散策。向かいの真田邸の長い土塀。観光客がたくさん訪れていました。左手に進むと、リニューアルされた松代文武学校が。プロジェクションマッピングなど、楽しい展示があるそうです。いずれ行きたいと思います。(右)真田邸前の公園。穏やかな日でした。

 そこにある真田節の石碑。松代町民でこの歌を知らない人はいないでしょう。松代中学の運動会で踊りました。象山佐久間と欧米の様にひっくり返っているのは、メロディに当てはめるためでしょうけど、世界に目を向けた彼には合っているかも知れません。近くに象山神社と象山記念館があります。ぜひ訪れてください。
 象山の正室は門弟勝海舟の妹順子ですが子がなく、嫡子は側室お菊の生んだ恪二郎です。象山の敵を討つべく新撰組に入りましたが、生来のわがままで役立たず、後に司法省に入りましたが、食中毒で29歳で亡くなっています。象山はケツがでかい女がいいと言っていたそうですが、勝海舟の娘はたぶんそうだったのでしょうね。でも子ができませんでした。多産とお尻の大きさは無関係です。
 母校の清野小学校の裁縫室には、彼の大きな肖像画がありました。豪放磊落で世界を見る先見の明があった彼ですが、常人離れしすぎていて、なかなか受け入れられませんでした。彼が暗殺されず存命していたら、明治時代はもっと違ったものになったかも知れません。明治維新は、欧米の金融機関によって薩長の田舎侍を利用して起こされた軍事クーデターでした。興味のある方は、「田布施システム」で検索を。学校では決して教えられない現代史が分かります。歴史は時の権力者によって都合のいい様に変えられるものなのです。それは記紀(古事記・日本書紀)でも同じです。真実を見極める洞察力を鍛えましょう。

真田節復刻盤フルコーラス



 松代城址へ。休日で観光シーズンなので大勢の人が散策していました。

 お堀には鴨が泳いでいます。左に見えるのは第四次川中島合戦の際に、上杉謙信が布陣した斎場山(旧妻女山)です。標高は512.8mで、山頂は頂上が平らな円墳です。もちろん拙書でも詳しく紹介しています。

 櫓台(ろだい)。天守閣はありませんでした。北西の角にあります。千曲川を挟んで善光寺平、川中島が一望できます。上に江戸時代の善光寺平を描いた絵図が展示されています。小さな子供達も訪れて景色を楽しんでいました。

 櫓台からの南方の眺め。左に狼煙山。武田信玄が狼煙を上げさせた山です。拙書でも紹介しています。右に象山。その後ろは、鞍骨城から鏡台山へと続く戸神山脈。川中島の戦いで武田別働隊が超えた山脈であり、現在はハイカーやトレランの人が愛好する山脈です。

 鮮やかな紅葉に映える古城の石垣。結構荒い石積みで、野面積みというのでしょうか。松代中学の時代、夏に遅くなった帰りに文武学校から象山駅への途中に、脇の用水から青い人魂が浮かび上がりフワフワと浮いて行きました。リンの成分の仕業と知っていたので驚きませんでしたが、その美しさは今もはっきりと覚えています。真冬に電車を待っていて、前の小川で氷渡りをしていたら、割れてドボン。下半身ずぶ濡れのママ電車に乗って帰ったこともありました。

 翌日は、妻女山奥の陣馬平へ。第四次川中島合戦の際に、上杉謙信が陣城とした場所ですが、現在は私が仲間と貝母(編笠百合)を保全している場所として有名になりました。3月に芽生え、4月中旬に満開となります。現在はセリバオウレンも移植して育てています。来春にぜひ訪れてください。必ず感激すると思います。全国でこれだけの群生地はここだけです。4月の茶花なので、茶道をしている方にはお馴染みの慎ましやかな美しい花です。薬草で毒草です。毎年の4月のアーカイブでは、満開の様子がご覧いただけます。
 そして下りて来ると、四阿でスケッチをしている少女。実は登り始めにスケッチをしに来たの?と聞いた女の子。話すと松代中学の後輩でした。松中の先輩で屋代高校からムサビに行きアートディレクターなどをしていたことを話しました。すごく素直ないい子で、待ってて家に帰ってURLカード持ってくるからねと。そして拙書もあげました。絵に技術的な上手下手はありますが、それといい絵は無関係です。人の心を打つ絵は、必ずしも巧い絵ではないのです。自分の想いや感じたことを素直に表現することが大事なのです。何をしていいか分からない、何が好きか分からないという子は、親の過干渉が原因です。何をしたいか、何をどうすればいいかは、子供に任せるべきです。自分で考えることが大事。親は最小限のアドバイスでいい。見守ることです。私は息子を叩いたことも無ければ怒鳴りつけたこともありません。その代わりどう思う?どうしたい?と問いかけ考えさせました。勉強しろと言ったことも一度もありません。困っている時も、アドバイスは最小限に。自分で解決する様に仕向けました。しばらく彼女と歓談して山を下りました。いい子に出会えました。


 妻女山(旧赤坂山)の展望台から松代の眺め。左に拙書でも紹介の大きな山塊の奇妙山。里山は紅葉の盛りです。

 北方の眺め。善光寺平、川中島が一望できます。手前は長芋畑。長芋の成分は膵臓癌の予防になるといわれています。すりおろした長芋に卵や納豆、牡蠣などに醤油、出汁を加えて焼くパンケーキは美味です。具をチーズやベーコン、ハムにしてオリーブ油で焼くと洋風に、中華風もできます。強火で焼いて外をカリッと、中をフワフワにするのがコツです。

 左は長野冬季オリンピックの開閉会式の開場になったスタジアム。右はAC長野パルセイロのホームスタジアム。コンパクトでとてもいいスタジアムです。試合のある日は、ここまでチャントの声が聞こえます。サッカー小僧だったので、それを聞くとワクワクします。
 当ブログはgooブログですが、300万以上あるブログの中でアクセスランキングは常に1000番代を維持しています。皆様のお陰です。最高位はグーグルボットの巡回もあった3位です。実は検索で来られる方が8割なのです。自然、歴史、旅(放浪癖あり)、アイドル(若い頃はアイドル雑誌のデザインや撮影のディレクションを。今はハロプロのJuice=JuiceとBABYMETALのファン)、ジャズ(ハードバップとフリー・ジャズ)、ロック(QUEENのボヘミアン・ラプソディは7回観ました)、クラシック(アリス紗良オットが大好き)アニメ(天気の子)、グルメ(MORIMORI RECIPEというオリジナルレシピのサイト)、山菜キノコ、70・80年代(村上春樹さんのジャズ喫茶でバイトしたはてなブログは左のブックマークから)、映画(シネマ小僧でした。村上春樹さんのブログに記事あり)、サッカー(松代中学のサッカー部創設者のひとりです)、約40年暮らした東京、イベントなどとバラエティにとんでいます。それぞれ、興味のある記事をブログ内検索して楽しんでいただければと思います。リンクのYouTubeもふたつアカウントがあります(saijouzan/capinojp)。お問い合わせや情報提供なども、メッセージからお気軽にどうぞ。在京時代の本業は、エディトリアル・アートディレクターやデザインプロデューサーですが、現在は自然写真家、郷土史研究家、里山案内人、里山保全活動家、講師、放浪の旅人です。人生は楽しむためにあるがもっとうです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。

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2 コメント

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こちらこそありがとうございました (モリモリキッズ)
2020-11-15 09:29:41
毎日何気なく見ている里山ですが、古代より人々が守り利用してきたものです。林業や養蚕が盛んだった頃は、人の手が充分に入っていました。
それが衰退して里山は荒れ放題になったのですが、その大切さに気づいた人達が里山保全にのりだしました。私が主宰している妻女山里山デザイン・プロジェクトもそのひとつです。
少し意識を変えて、里山や川を見ていただくだけで変わっていくと思います。
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ありがとうございました。 (森山(ひまわり))
2020-11-14 21:18:18
 とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。「目から鱗!」でした。私はトレッキングも山歩きも好きではありませんが、身近なところの古い歴史をひもときながら散策(する気持ちで)・・・、先生の著書を購入しました。とても分かりやすいルート表示で、ここを辿ればあの場所なのか! と楽しんでおります。
 機会がありましたら、またお話を伺いたく存じます。ありがとうございました。
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