16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少なキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)の産卵に遭遇しました。交尾期は早々と終えてオスは姿を消しました。やはり昨年より10日ほど早かった様です。産卵は11分に及びました。貴重な産卵シーンの数々を撮影することができました。
一匹のキバネツノトンボが飛び回っていました。あちこちのメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)に止まってはすぐに飛び立つことを繰り返しています。止まった個体を見るとメスです。しかも腹部が大きく膨らんでいます。ひょっとして産卵する草を探しているのかなと思いました。
トンボといいますが、実はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫。大きな目のその愛くるしい姿は、一度見たら忘れられません。絶滅危惧種ですが、長野県ではあちこちに生息地がある様です。それだけ信州は自然環境がいいということなのでしょう。
10分ほどあちこちを飛び回って産卵場所を探していましたが、1本のメリケンカルカヤに決めた様です。
1分ほどジッとしていました。目の反射の文様と、翅の翅脈が面白い。黄と黒のツートーンもお洒落。実に魅力的な容姿をしています。
突然産卵を始めました。
茎に産み付けられた卵が粘性のある糸を引いています。これが接着剤なのでしょう。産卵孔もよく見えています。
茎の右左に交互に産卵していきます。
卵を二列に産んでいきます。卵が茎から少し離れてしまうと。
尾部を器用に動かして直しました。お見事。卵を茎に産みつける時に、尾部を細かく動かして卵を固定させていますが、その様子は下の動画で見られます。
茎の穂先の方まで産み付けています。茎のどこから産みつけていくかも計算しているのでしょう。
こんな風に二列に産みつけました。離れた部分もバラけずに繋がっています。茎は花穂もあってデコボコしているのですが、巧みに産みつけています。
産卵が終わった様です。11分かかりました。卵は31個✕2列で62個でした。お腹もしぼんでいます。お疲れさん。卵が無事に孵化できるか観察をしたいと思います。
茎の上側に登りました。
約3分の休憩の後に翅を広げて飛び去りました。卵が孵化するのに30日ほどかかるそうです。蟻地獄に似ている幼虫は、孵化すると地面に落下し肉食なので餌を求めて徘徊する様です。幼虫の期間は不明とか。謎の多い昆虫です。
今回はオスを撮影できませんでしたが。昨年撮影したオスの記事です。
●キバネツノトンボ。体の構造と生態を観察する夏日の草原。複眼にダビデの星? 16都道府県でレッドリストに指定されている昆虫(妻女山里山通信):尾部に丸いハサミを持つオス。複眼のダビデの星は不思議。
■キバネツノトンボの産卵
ほかの茎に産みつけられた卵塊。傷ついたものもあります。全部が無事に孵化することはないでしょう。アリやカメムシなどに見つかると全滅することも考えられます。
ハナニガナ、ハルジオンなども咲く妻女山松代招魂社。クマバチのホバリングの羽音が響きます。
善光寺平は黄砂で霞んでいます。
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◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、商用利用の場合、有料でお使いいただけます。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
一匹のキバネツノトンボが飛び回っていました。あちこちのメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)に止まってはすぐに飛び立つことを繰り返しています。止まった個体を見るとメスです。しかも腹部が大きく膨らんでいます。ひょっとして産卵する草を探しているのかなと思いました。
トンボといいますが、実はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫。大きな目のその愛くるしい姿は、一度見たら忘れられません。絶滅危惧種ですが、長野県ではあちこちに生息地がある様です。それだけ信州は自然環境がいいということなのでしょう。
10分ほどあちこちを飛び回って産卵場所を探していましたが、1本のメリケンカルカヤに決めた様です。
1分ほどジッとしていました。目の反射の文様と、翅の翅脈が面白い。黄と黒のツートーンもお洒落。実に魅力的な容姿をしています。
突然産卵を始めました。
茎に産み付けられた卵が粘性のある糸を引いています。これが接着剤なのでしょう。産卵孔もよく見えています。
茎の右左に交互に産卵していきます。
卵を二列に産んでいきます。卵が茎から少し離れてしまうと。
尾部を器用に動かして直しました。お見事。卵を茎に産みつける時に、尾部を細かく動かして卵を固定させていますが、その様子は下の動画で見られます。
茎の穂先の方まで産み付けています。茎のどこから産みつけていくかも計算しているのでしょう。
こんな風に二列に産みつけました。離れた部分もバラけずに繋がっています。茎は花穂もあってデコボコしているのですが、巧みに産みつけています。
産卵が終わった様です。11分かかりました。卵は31個✕2列で62個でした。お腹もしぼんでいます。お疲れさん。卵が無事に孵化できるか観察をしたいと思います。
茎の上側に登りました。
約3分の休憩の後に翅を広げて飛び去りました。卵が孵化するのに30日ほどかかるそうです。蟻地獄に似ている幼虫は、孵化すると地面に落下し肉食なので餌を求めて徘徊する様です。幼虫の期間は不明とか。謎の多い昆虫です。
今回はオスを撮影できませんでしたが。昨年撮影したオスの記事です。
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■キバネツノトンボの産卵
ほかの茎に産みつけられた卵塊。傷ついたものもあります。全部が無事に孵化することはないでしょう。アリやカメムシなどに見つかると全滅することも考えられます。
ハナニガナ、ハルジオンなども咲く妻女山松代招魂社。クマバチのホバリングの羽音が響きます。
善光寺平は黄砂で霞んでいます。
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