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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

キバネツノトンボの産卵ラッシュ。16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少な昆虫。産卵孔から卵が出て産みつける動画もアップ(妻女山里山通信)

2023-05-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が28度の週末。貴重な晴れの日、キバネツノトンボの産卵が見られるのではと妻女山山系へ。予想以上の産卵ラッシュに遭遇しました。トンボの仲間ではなく、アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫です。2日前にカッコウの初鳴きがありました。貝母の陣場平では特定外来生物のガビチョウがやかましいほどに鳴いています。市からは毎日の様に熊の目撃情報が流れます。淡竹の筍の時期なので下りてくるのです。熊鈴とホイッスルを忘れずに。

 一匹のキバネツノトンボのメスが、産卵する茎を探して飛び回っています。細いと自分の体重で曲がってしまうし、太いと卵を産みつけにくいのでしょう。10分ほど探し続けていました。曲がってしまうだめな細い茎に何度も来るのは可愛そうでした。腹部は卵でパンパンに膨れています。触角の先の丸い玉が可愛らしい。どういう機能があるのでしょう。

 やっと最適なメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)を見つけると産卵を始めました。

 前回遭遇した個体に比べると産卵する速度は少し遅めです。

 産卵孔から卵が出てくる瞬間。

 下から上に産みつけていき、腹部の曲がりが限界になるとにじにじと上に登り、また産卵を始めます。

 複眼の反射の模様は拡大するとダビデの星の様な形が見えます。昨年の記事で拡大写真を載せました。
キバネツノトンボ。体の構造と生態を観察する夏日の草原。複眼にダビデの星? 16都道府県でレッドリストに指定されている昆虫(妻女山里山通信)

 産卵が終わった様です。16分かかって67個の卵を産みました。

 すごくきれいに産みつけられています。皆無事に孵化してくれるといいのですが。

 2分ほど休んで近くの茎に移って休憩中。

 別の植物に少し大き目のメスがやってきて止まりました。どこかで産卵を終えた後なのでしょうか。

 すると別の茎で産卵をしているメスがいました。

 花穂の直前で産卵が終了しました。60個産みました。

 やはり別の茎に移って休んでいます。帰ろうとしたら別のメスがやってきて産卵する茎を探し始めました。観察したかったのですが、炎天下の撮影でクラクラしてきました。熱中症になっては大変なので下山しました。これ以外にスフラギスをつけたウスバシロチョウや、極小のミナミヒメヒラタアブなども撮影したのですが、別の記事で紹介します。

産卵するメリケンカルカヤを探すキバネツノトンボのメス。(YouTubeで、ハイビジョン・フルスクリーンで見ることをお勧めします。最大2160p 4kで見られます)


キバネツノトンボの産卵 vol.01


キバネツノトンボの産卵 vol.02


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