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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

カラカラの里山でキノコ狩り。急遽前回の山へ。ハウチワカエデの燃える紅葉。ヒラタケとムキタケ大量ゲット(妻女山里山通信)

2021-11-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 標高1300mの里山へキノコ狩り。そのために期日前投票を済ませたのですから。ところが山は乾ききっていて毒キノコさえありません。

 まるで箱庭の様な三峯山の風景。左はスキー場のゲレンデ。正面はスライダー。小さな子がいる家族にはピッタリ。昔、息子達を連れて遊びに来ました。キノコ狩りの山へは、ここからかなり走ります。

 やはりまとまった降雨がないために森は乾いています。確かに地面は朝霧で湿ってはいるのですが、この程度ではキノコは出ません。やっと南側の斜面でチャナメツムタケ2本を見つけました。あとはクリタケが少々。とてもキノコ狩りにはならないので、前回の山へ行くことにしました。ここから麓に下りて10キロ以上あります。採れなければ、キノコ狩りが紅葉狩りの山岳ドライブになってしまいます。

 前回とは少し離れた場所へ。やっと日がさし始めました。倒木や立ち枯れの木が多い森です。気温は8度。

 クリタケ発見。前回の場所ほど密集していないのであちこちを探しました。

 栗茸一家。雨が降らないので成長が遅い様です。結局今回は、150本ほど採れました。まずまずです。

 近くに猛毒のニガクリタケ。死亡例もあります。クリタケ採取の時は、必ず噛んで見ること。クリタケは無味、ニガクリタケは本当に嫌な苦味があります。

 30分ぐらいあちこち歩き回って、檜林を抜けて登山道へ。ひとつ谷を越えなければなりません。

 オオモミジ(大紅葉)の黄葉。イロハモミジから自然発生した変種だそうですが、葉が大きいために黄葉が見栄えします。赤くなる個体もあるようです。

 日に透けるオオモミジ。家族でよく登った東京と神奈川の境にある小仏城山の茶店では、楓の葉を天ぷらにして出していました。東京近郊の里山には、高尾山や陣馬山、御岳山の様に茶店があるところがあり、それぞれ名物の料理があり、そこに立ち寄るのも楽しみでした。

 トチノキも色づき始めました。山梨県小菅村南の牛ノ寝通りには、樹齢800年、樹高30mを超すトチノキの巨樹が何本もあり、家族と何度も見に行きました。
牛ノ寝通り(山沢)・大トチ/大マテイ山・誰も知らない幻の大トチ/鶴寝山・大ブナ(巨樹特集)
大マテイ山-鶴寝山(山梨県の牛ノ寝通りへ大トチを見に行った紅葉狩りのルポです。紅葉が見事です)


 イタドリも色づいています。右上の向こうの赤い実は?

 ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)です。ナス科ナス属の多年生植物。 熟した果実にヒヨドリが群がって食べる様子が、酒に酔った人達が騒ぐ様子に似ているというのが名前の由来なんですが、全草にステロイド系アルカロイドのソラニンを含んでおり、誤食すると嘔吐や下痢、呼吸困難などの症状を引き起こし、大量に摂取した場合は昏睡状態に陥り死亡することもあります。というわけで、ヒヨドリは食べないと思っていましたが、食べている写真がアップされていました。少量なら大丈夫なのでしょうか。

 ハウチワカエデ(羽団扇楓・葉団扇楓)が鮮やかに燃えています。まさに燃える秋ですね。日本の楓の中では葉が大きな方なので、紅葉は非常に映えます。別名は、メイゲツカエデ(名月楓)。

 ダンコウバイ(檀香梅)の黄葉。クスノキ科クロモジ属の落葉小木。材には香りがあり、クロモジと同様に爪楊枝や木工で使用されます。 春一番に黄色い小花を咲かせます。切っても株立が旺盛で、放っておくと森が真っ暗になってしまいます。妻女山では、適宜除伐をしています。

 山を下りる途中の眺め。遠くに戸隠連峰が見えます。日が当たると暖かいのですが、日陰は一気に冷え込みます。

 今回は、チャナメツムタケとクリタケを使って、鶏皮と大根の中華煮を作りました。鶏皮はごま油でニンニク生姜と炒めて。味付けは五香粉(ウーシャンフェン)と上湯スープの素、醤油、本味醂です。五香粉は、陳皮、シナモン、花椒、フェンネル、八角、クローブをミックスした中華のスパイスで、これを使うと誰でも本格的な中華料理ができます。普通にスーパーで買えます。今回のは業務スーパーで買い求めたもの。

 ここ数日、朝の冷え込みで朝霧に包まれるようになりました。川中島の戦いで有名な川中島の霧です。霧は川霧と山霧がありますが、冷え込んだ朝は川霧が大量に発生し、堤防から溢れて里を包み、山まで押し寄せます。これは数年前の写真ですが、本当に濃い霧に包まれると一切の視界がなくなるため、写真も真っ白になってしまいます。在京時代に信州へ、ホワイト・アウトした高速道路を真夜中に走ったことがありますが、フォグランプも効かず本当に恐怖でした。この時期に深夜や早朝に信州へ来る時は、要注意です。
 写っているバイクは、30年以上前に買ったイタリアはビアンキのクロモリフレームのマウンテンバイクです。サドルやペダル、タイヤなどは交換してあります。かなりヘタってはいますが、ポタリングぐらいなら充分に乗れます。

 文化の日、温泉へ行こうと外出。ところが、カラカラに乾いた里山ですが一箇所だけどうにも気になる場所がありました。急遽駆けつけました。温泉へ行くためにジャージだったので大量の引っ付き虫に襲われながら根本が直径60センチぐらいのコナラの倒木へ。勘は大当たり。ヒラタケとムキタケがびっしりとついていました。ボウルは40センチぐらいあるのですが、ヒラタケもムキタケも大きいのでかなりのボリュームです。ヒラタケはレバニラ炒めに入れます。ムキタケは豚足と中華煮に。たくさん採れたので小分けして冷凍しました。妻女山里山デザイン・プロジェクトの納会に持っていこうと思います。寄せ鍋にジンギスカンにとアイデアは膨らみます。カッチュッコとかブイヤベースとか洋風もいいですね。小さなムキタケはすべて残してきたので、何日か後には同じぐらいの量のムキタケが採れるでしょう。倒木が本当に枯れて土に戻る長い間に、多大な恵みを与えてくれるのです。キノコは食物繊維が豊富で、ビタミンDやビタミンBのビタミン類、カリウムやリン等のミネラル類の他、免疫力を高めるβグルカンが含まれていたりと有益な食材です。本当にありがたい森の恵みです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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