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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

平安時代は荘園で大麻の名産地だった麻績村の初雪に佇む郷社・麻績神明宮へ(妻女山里山通信)

2018-12-28 | 歴史・地理・雑学
 信州は諏訪系の神社が多いのですが、そんな中で伊勢系の国宝仁科神明宮を訪れたブログを以前アップしましたが、麻績村に神明宮があると知り訪れました。28日はこの冬初めて善光寺平に積雪がありました。積雪のある403号の峠越へはこの冬初めてで緊張しましたが、国の重要文化財で郷社を名乗る神社は非常に趣のある佇まいでした。

 国道403号の姨捨上の千曲川展望台からの善光寺平の眺め。高層には筋雲(5000=13000m)が、その下には雪雲(1500〜2500m)が。不思議な光景です。晴れて陽がさしたり、突然雪雲に覆われて雪が降り出したりとドラスティックな天気の日でした。夜にかけて降りそうですが、善光寺平は大雪にはならないでしょう。この冬初めての積雪道路の運転でかなり慎重になりました。どんな有能なスタッドレスでも万能ではありません。長野県では車に雪を積んだまま走るのは条例違反です。後ろに落ちれば事故を誘発する危険性が。前に落ちればフロントガラスを覆って視界がなくなり非常に危険です。必ず雪を落として走行を。
 右手前は、姨捨の棚田です。屋代市街の向こうに坂城まで続く五一山脈。その向こうに上杉謙信が布陣した斎場山(旧妻女山)の鏡台山まで続く戸神山脈。いずれも拙書で紹介しています。

 麻績村の三峯山。もちろん拙書でも紹介しています。さすがに積雪が少なくてスキー場はまだ開いていないようです。麓の聖湖のへらぶな釣りも来春までお休みです。
 信州の冬に来る際は、スタッドレスやチェーンはもちろん、融雪剤スプレー、ウィンドウの雪かきスキージ、雪かきスコップ、車中泊のための毛布や寝袋、食料を積み込むことをお勧めします。笑い事ではありません。賢い雪国の人は皆そうしているでしょう。

(左)筑北村方面へ左折して暫く行くと鳥居という店の向こうに神明宮への道が。一ノ鳥居。昔は木造だったのですが、車がぶつかって破損。石造りにしたのですが、また車がぶつかって破損。これはその後再建されたものだそうです。安全運転で。(中)神社の右側にある小さな社。猿田彦大神とか色々。南方熊楠(みなかたくまぐす)が猛反対した明治の「合祀令」の結果でしょう。境内にも稲荷や天満宮なども、合祀令の暴挙の痕跡が見られます。(右)神橋の先に二ノ鳥居。ここで氏子のお爺さんと出会いました。貴重な話を色々聞かせていただきました。一ノ鳥居の話や、二ノ鳥居が木造だったが古くなって倒壊しそうになったなので銅板を巻いた話とか。

 御神木の大杉。樹齢1000年とか、500年とか色々説があるそうです(笑)。非破壊検査に調べてもらいましょう。話をした方は、昔は杉に囲まれていて、60本以上を伐採したと。本殿の近くにも巨木があったが、国に本殿と木とどっちが大事ですかと言われて、泣く泣く御神木を切ったと言っていました、その切り株は本殿の左に残っています。国宝の仁科神明宮の事故を見ると、伐採はやむを得ないと思います。今回私が見て、本殿の左の皮の剥けた杉が少しまずいなと思いました。

 舞台。地下にコンクリートの基盤を造り、舞台を組み直したそうです。その完成時には、大鹿村の歌舞伎を呼び演じてもらったそうです。こんな素晴らしい舞台は凄いと驚いていたそうです。屋根は葦葺きです。小川村の屋根職人が葺いたそうです。葦(あし)と葦(よし)は、同じものです。関西で葦が悪しにつながるとして、よし(良し)と呼ぶようになったとか。

 拝殿。初詣はともかく、普段はだれも来ないなと寂しそうにお爺さんは言っていました。平安時代、麻績郷は大麻の生産地で朝廷に献上していたのでしょう。近くにある美麻村もそう。善光寺平の篠ノ井や川中島は布施氏の荘園があり大麻を生産していました。大麻は麻布や綱として用いられただけでなく、神道の重要な儀式のツールでした。戦後GHQが大麻を禁止する法律を作らせたのは、麻薬だからではなく神道との結びつきがあまりにも強かったからなのです。海外ではマリファナの医療仕様や解禁が進んでいますが、そういうものなのです。麻薬と一緒にしてはいけません。特に医療用大麻は一刻も早く認可すべきです。それを阻んでいるのは、全く効果のない抗がん剤で莫大な利益を得ている日本の製薬メーカーと馬鹿な御用政治家です。

 本殿。国宝の仁科神明宮より大きなものです。お爺さんから新旧ふたつのパンフレットをいただきました。まだ読み込んでいないので、追加記述します。

 仮殿。宝暦10年建立。

(左)拝殿から見下ろす風景。(中)御神木の巨木と舞台。(右)本殿の後背に杉の深い森。
麻績神明宮(おみやさんcom)
日本最古の神明造りの国宝・仁科神明宮と、七色大カエデとカミツレの咲く大峰高原(妻女山里山通信)私のブログ記事です。

(左)麻績村から筑北村へ。坂上トンネルを抜けて、善光寺精進落しの湯の戸倉上山田へ。雪の中を万葉橋たもとの亀屋へ。雪が激しく降り始めました。(中)ここのラーメンは無化調で脂っこくなく、やさしく旨味が深い。若者から高齢の人にも人気のラーメン屋です。(右)味噌野菜ラーメン。サービスの豚辛味噌付き。粉も地元産。夢つけ麺は、地粉のユメセイキです。スープも飲み干すほど美味い。
 今年のブログ記事はこれで最後になります。たくさんの御高覧ありがとうございました。来年も研鑽してまいりたいと思います。では皆様、良いお年を。

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