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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

キノコ三昧の晩秋。ヒラタケ、ムキタケ、ムラサキシメジが大量に採れました(妻女山里山通信)

2017-11-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 この秋は天候がおかしくてキノコの出方が読めません。例年ならば9月の長雨で、10月は台風以外は秋晴れになるのですが。今年は9月が晴れの日が多く10月に長雨と台風が二つも来ました。そのため、9月に採れるウラベニホテイシメジやサクラシメジ、マイタケは一本も採れませんでした。10月は雨が多すぎて、時候坊(ジコボウ・ハナイグチ)もほとんど採れませんでした。ところが、11月に入って晴天が続くと続々とキノコが採れ始めました。

(左)コナラの倒木にヒラタケ。木の下と向こう側にも大きな株があります。半分ぐらい採りましたが、大袋がいっぱいになりました。このシロは他の山仲間も知っているので残しておいたのです。(中)ムキタケ。これもたくさん採れました。(右)今回のお目当てはこのムラサキシメジです。旨味成分が松茸より多く、お吸い物にすると非常に上品で美味です。味噌と油と合わせて信州の郷土料理おやきにしても超絶美味です。フランスではピエ・ブリューといって高級食材です。バターや生クリームともよく合います。コンソメ仕立てでも美味。とりあえず和風のキノコパスタにしましたが、美味しかったですね。

(左)雨で傘の紫色が少しあせています。雨に当たらなければもっと鮮やかな紫色をしています。(中)雨に当たらない傘の裏側は濃い色が残っています。(右)戻って友人のログハウスで昼食。穏やかな日で最高気温が21度もありました。汗ばむほどです。午前中に玉ねぎの苗を100本ほど植えたので山に登るのが遅くなってしまい、知っている全てのシロを回ることが出来ませんでした。それでも200本以上採れたと思います。この後処理が大変なんですが。私は現地でハサミで石づきを切り落としてきます。そうすると後処理が楽ですし、無駄に菌糸を持ち帰ることもありません。こんなことを書くと、え〜!妻女山はそんなにキノコが採れるの!行ってみようと思うかも知れませんが、広い山の中でシロを知らないと、まず1本も採れません。同定が確実にできないと毒キノコの場合もあり非常に危険です。図鑑では分かりません。

(左)帰路につきます。里山も晩秋の風景になりました。(中)ヤマモミジ。今秋は冷え込みが浅いので、モミジも紅葉にならず、黄葉ですね。寒さがないのでアントシアニン(ポリフェノール)が生成されないのです。(右)ダンコウバイの黄葉。これはいつも黄色です。

 妻女山松代招魂社に戻りました。現在は国土地理院の地図でここを妻女山と記していますが、本来は赤坂山であり、上杉謙信が本陣とした妻女山(本名は斎場山)ではありません。招魂社は、戊辰戦争以降の戦没者を祀った神社で、上杉謙信とは無関係です。

 後日回りきれなかったシロを巡りました。この日は風速4m。瞬間最大風速は10mを越えたでしょう。突然の落枝や倒木に要注意です。以前目の前に20m以上の落葉松が突然倒れてきたことがありました。(左)長坂峠のヌルデの紅葉。(中)これが本当の妻女山(さいじょざん)で本名は斎場山(さいじょうざん)です。『甲陽軍鑑』では西条山と誤記されそれが広まりました。拙書でも詳しく紹介しています。(右)斎場山の山頂は古代科野国の古墳(円墳)です。地元ではここに謙信が本陣を置いたと伝わり、謙信台ともいいます。斎場は、齋(いつき)なる場(ゆにわ)ということで、単に墳墓ではなく祭祀を行う神聖な場所という意味があります。

(左)なんか面白い看板が。(中)テープも。(右)こんな標識もあちこちに。何かなと思って調べると、11月11日(土)に、千曲市の「科野の里歴史公園」をスタートで、五里ヶ峰や鏡台山、鞍骨城や天城山、妻女山を走る「科野の国 ラウンドトレイル」という32キロのトレランの大会があるそうです。実は拙書も、四阿山のカルデラ一周コースや今回のコースも載っているので、トレランの人も買ってくれているのです。林道を走るのが好きなサイクリストも。拙書でも書いていますが、山はそれぞれが譲り合って色々な楽しみ方をすればいいと思います。

(左)私はコースを外れて40分ほど歩いて山の中へ。ムラサキシメジのシロに着きました。(中)枯葉が覆っていて所謂キノコ目がないと見えてきません。いい形のものを30本ほど採りました。(右)仲間とやっている椎茸の原木栽培。大量に採れました。干し椎茸にします。出始めのものを数えたら80本ほどありました。

(左)紫式部かな。鮮やかです。もっと実がたくさん成る小紫は麓近くにあります。(中)つる植物の赤い実。初めて見ました。なんでしょう。で、調べたらすぐに分かりました。ツルウメモドキでした。(右)羽つきの羽根の様なクサギ(臭木)の実。枝や葉をちぎるとピーナッツバターの様な香りがします。花は白粉の粉臭い匂いです。

 後日、買い物のついでに茶臼山へ。篠ノ井の市街地から車を15分ほど走らせて15分ほど登ると、茶臼山のアルプス展望台。もちろん拙書にも載せています。こんな風に気軽にこんな絶景を見に来られるのが信州のいいところ。左に白馬三山。右手前に虫倉山。

 白馬三山の勇姿。左から白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。手前は、旧中条村(現長野市)や信州新町とか。ああ新蕎麦が食べたいな。信州新町の道の駅へ行こうかな。いや近くに「安心 そば処」という旨い店がありました。来週行きましょう。とろろご飯と天ぷら、サラダがついたAランチがお勧めです。十割蕎麦もいいのですが、私は二八蕎麦で。美味しくたくさん食べたいなら松代の象山神社近くの「娑羅樹庵」がお勧め。検索を。

 拙書でも詳しく紹介している神話の山、虫倉山。神城断層地震で山頂が4割も崩壊してしまいました。さるすべりコースは現在も登山禁止です。山頂にはクラックが入り、いつ崩壊してもおかしくない危険な状態です。手前は旧七二会村(現長野市)です。道路が見えますが、七二会から中条を抜けて小川村まで行けます。風光明媚な道路で、サイクリストやトレランの方にお勧めです。

 北アルプス展望台から。里山の原風景が広がります。ここで走ってきた青年と出会いました。11日の大会に出るのかなと思ったら、もっととんでもない大会の試走と分かりました。12月2日(土)から3日(日)にかけて行われる「ツールド・NAGANO」。長野市を囲む8エリアの里山をまわる。最小距離25km〜最大距離130kmのフリースタイルのトレラン&マラニックだそうです。制限時間は32時間。いやはや。トレランは知っていましたが、マラニックって何?と思ったらマラソンとピクニックを合わせた造語だそうです。なるほど。来週は猛烈な寒気がやってきて東北や長野県の北部山沿いは雪とか。スタッドレスに替えて正解だったかな。晩秋から初冬の匂いに変わりつつある信州です。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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