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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の貝母を発見してからの保全活動の歴史。今年も満開です(妻女山里山通信)

2020-04-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前の記事で、陣場平の2008年9月の写真を載せましたが、今回は写真を増やして陣場平の保全活動の歴史をたどってみようと思います。酷い藪の中に咲く貝母を発見したのは、2009年の4月2日でした。その時は名前が分かりませんでした。そして、父に薬草じゃないか。昔、川中島の薬草問屋が畑を借りて栽培していたと言われ。それから調べてやっと中国原産の貝母(和名:編笠百合)と分かり、4月13日に撮影。ブログ記事にはバイモと記してあります。貝母がとても貴重なものと分かり、世話役をしていた父に、集落の重鎮達に整備の許可を得てもらい、ひとりで藪の除去を始めました。そして3年後、ログハウスのKさんと友人のMさんや高校時代の友人達がやりたいと参加し、2012年5月4日に「妻女山里山デザイン・プロジェクト」の活動が始まりました。そんなわけで、現在の状態になるまで13年かかったのです。

 前回載せた2008年9月6日の陣場平入り口の林道から見たカットです。現在は右から少し左上へ貝母の群生地へ通じる小道があります。左には問題の帰化植物オオブタクサが。左の木はオニグルミなんですがヤマフジやミツバアケビ、ヤエムグラ、ヤマガシュウなどが大量に絡みついています。酷い藪の状態です。9月なので貝母は消えています。3月から6月までのスプリング・エフェメラル、春の妖精とか春の儚い命と呼ばれます。

 2009年4月2日の陣場平。まだ芽吹き前です。菱形基線測点から現在の西側からの入り口の方を見たところです。つる植物が大量に絡んでいます。ここから立ち枯れの木の伐採や灌木の伐採をひとりで始めました。前年は、父が30年近く放置していた林道入口にある広い我が家の山の整備をしていました。

 2009年5月28日の陣馬平入り口。貝母の群生地は、この左奥なんですが、ここから入っていくのは、この季節はかなり困難です。

 同日の別のカットですが、昼でも森の奥が真っ暗なのが分かると思います。こんな森には、鳥も昆虫も来ません。

 2009年11月18日の陣場平。三つ前のカットとそう変わりないと思われるかもしれませんが、立ち枯れの木を伐倒したり灌木を切ったりという作業をしたのです。まだ絡みつくつる植物を処理しきれていません。根本が直径50センチもあるヤマフジを切ったりしています。

 2010年4月24日の貝母です。左の丸い群生が最初に発見した貝母です。周りを切り開いたら周囲にも小さな群生があることが分かりました。この時、これはいけるかもと思いました。ネットで検索しても貝母の群生地は出てこないので、保護活動をする意味はあると思いました。ただご覧のように周囲はまだ荒れています。

 2010年7月25日の陣場平。既に貝母は消えていますが、この雑草。特に有害帰化植物のオオブタクサの繁茂が目立ちます。除伐をしたらヨシとノイバラが侵入して来ました。これが大変な事態を引き起こすことになるのです。

 2012年4月29日の貝母です。この頃はひとりで始めた保全活動もかなり進んで、貝母もこんなに増えました。

 2012年5月4日。実は私のたったひとりの里山保全活動を見ていた人がいました。堂平大塚古墳とログハウスの持ち主の今は亡きKさんでした。その後知り合い。何しているのと聞かれて話すと手伝うよと。そして高校時代の友人達も参加して、妻女山里山デザイン・プロジェクトの活動が始まりました。これは最初の活動で、陣場平すぐ下のカラコギカエデとダンコウバイで真っ暗だった森を伐採した作業です。Kさんがグラップルを動かして伐採を補助。明るいギャップができました。鳥や蝶が舞う空間ができました。Kさんは自費で、ここまで来る林道の整備もしていました。

 2014年4月23日の陣場平の貝母。仲間の活動もあってここまで増えました。ただし左奥にヨシが見えます。その中にはノイバラの群生も。これが数年後に大繁殖して貝母の群生地を侵し始めました。そこで仲間を集めて除去作業をしました。ヨシは3センチの地下茎でも出てきます。ノイバラも地下茎。これをすべて掘り出しました。多い時は10人ぐらい集まりました。
 その後、ハルジオンがはびこり、これをすべて抜き取りました。ヨシは絶滅できましたが、ノイバラとハルジオンはできていません。今年も仲間を集めて除去作業をしました。大変です。
 6月末ごろには、また仲間を集めて貝母の球根の植え付け作業をする予定です。数年後には現在の二倍に群生地がなることを計画しています。なんとか今週末ぐらいまでは見頃といえます。少人数でおいでください。


 GW初日29日の妻女山は、陣場平の貝母を観に来た人、鞍骨山まで登る人とたくさんの方が来ました。でも時間差があるので三密にはなりません。百名山やアルプスではなく、こんな時こそ里山歩きをおすすめします。ただ、里山は枝道や作業道、獣道がたくさんあり迷いやすいのです。ということで地形図も掲載の拙書をおすすめします。宣伝です(笑)。写真の桜は、陣馬平入り口の山桜。

 これは小道を歩いて貝母の群生地の入り口に咲くカスミザクラ。同じ頃に咲くウワミズザクラはどうしたのでしょう。おかしな春です。しかも、1993年と同様にフィリピンの火山が大噴火。インドネシアの火山も。米が大不作で、タイ米を輸入してしのいだあの夏が再び来るかもしれません。加えてコロナウィルス。国民の命を最重要と考える心ある政権を作らないと日本は滅びるかもしれません。ゴミやカビ、虫が入った役立たずの布マスクに466億円。PCR検査にたったの49億円。アメリカはじめ世界に70兆円をばらまいた現政権。その金があったら教育も医療も福祉も全部無料にできます。いい加減に目を覚ましましょう。覚醒しましょう。

 貝母は、枯れ始めました。4月の最高気温が低かったので花が長持ちしました。明日以降はかなり気温が上がるので一気に枯れ始めると思います。今年はたくさんのセイヨウミツバチが受粉に来たので、たくさん種ができることを期待しています。6月には枯れて溶けるように消えますが、妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーを集めて、有害帰化植物の除去と、周囲の球根を掘り出してヨシを除去した空き地に植える作業をします。

 邂逅した皆さんには拙書の紹介いと共に、このブログのURLカードもお渡ししています。自然写真と歴史がメインです。しかし、左のカテゴリーに「ジャズ・BABYMETAL・JuiceJuice・アイドル・フォーク」というのがありますが、なんとこのカテゴリーの記事で、290万ほどもあるgooブログのアクセスランキングで194位になったことがあるのです。オーマイガーでした(笑)。同時に学生時代にアルバイトをしていた作家村上春樹さんの国分寺のジャズ喫茶「ピーター・キャット」のことを書いたフォトエッセイ「国分寺・国立70sグラフィティ」には、世界中からアクセスがあります。70年代のカウンターカルチャーの真っ只中の東京と、その時代が生き生きと描かれていると好評を得ています。と同時に日本が失ってしまったものも。32本のフォトエッセイをお読みいただけます。左のブックマークから行けます。また、グルメの書籍を作っていた関係で、土井善晴さん、平野レミさん、ジュディ・オングさんとも仕事をさせていただきました。MORIMORIレシピというオリジナル・レシピのサイトもアップしています。母体は、CAPINOというサイトです。現在は、ブログとツイッターに主力を移しています。saijouzanというYou Tubeのサイトもリンクしています。1930年代の日本は、世界から20万近くのアクセスがあります。ツイッターをされている方は、勝手にフォローしてくださって結構です。情報や質問などは、左のメッセージからお願いします。

妻女山里山デザイン・プロジェクトの活動は、■MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryのトップページの一番下、妻女山SDPの各ナンバーをクリックしていただくとご覧いただけます。16以降はこのブログでアップしています。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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