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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

貝母満開の陣場平へ保全作業に行ったのですが…。夏日で28度! 堂平大塚古墳で早い昼食の後温泉へ(妻女山里山通信)

2019-04-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 山鍬(やまぐわ)を持って貝母が満開の陣場平へ。ノイバラの除去をしました。着くと前日知り合った女性が撮影をしていました。貝母の群生地の発見から現在まで10年かかった話や、そのきっかけとなった菱形基線測点の話などを。カタクリの群生地に行きたいと言うので場所を教えました。途中に咲くキブシも教えてあげましたが、無事に観られたでしょうか。数千株が咲く群生地ですが、知る人は僅かです。中に猛毒のヤマトリカブトの群生地もあります。
 で作業を始めたのですが、小一時間もすると暑さで参ってしまいました。この日の最高気温は28度。これは熱中症になるなと、早々に作業を切り上げ今は亡き友人のログハウスで早めの昼食をとり、色々花を撮影しながらまったりと過ごし、温泉に向かいました。

 朝、ホームセンターに寄って帰りに千曲川左岸から撮影した妻女山と斎場山、天城山(てしろやま)。斎場山は、山頂が円墳です。手前の堤防にはセイヨウアブラナが。満開の桃の果樹園の下にはタンポポ。妻女山の風に散るソメイヨシノ。林檎の花も咲き始めました。この時期の信州は、さながら桃源郷です。

 陣場平の貝母(編笠百合)は、先端のつぼみも咲き始め、まさに満開です。今週末までが見頃でしょう。これだけの群生地は、他にはないと思います。春にだけ姿を現すスプリング・エフェメラル(春の妖精・春の儚い命)です。慎ましやかに咲き風に揺れるさまは本当に美しい。

 日当たりの良い貝母の葉が黄色くなっています。枯れ始めたというより、雨がまったく降らないためのものだと思います。右は周りで咲いているオオヤマザクラ(ベニヤマザクラ)。白いカスミザクラも咲き始めました。白い花穂(かすい)が揺れるさまが美しいウワミズザクラは、もう少し先です。

 共にシソ科のヒメオドリコソウとホトケノザ。拙書の髻山の写真では、キャプションで間違えてしまいました。私も校正は、朝日新聞のPR誌などたくさんしてきましたが、自分の書いた文章を校正するのは本当に難しいのです。まあ、普通はやりませんね。双方とも可愛らしい花ですが、耕作放棄地にはびこる雑草と思われています。

 アブラナ科のタチタネツケバナの仲間。小さな小さな花です。陣場平の貝母の空き地に咲いていました。右はカキドウシ。別名は、カントリソウ(癇取草)で、子供のひきつけや夜泣きに用いられた薬草です。ゲンノショウコと共に古来から使われた薬草で、利尿、消炎薬として黄疸、胆道結石、腎臓結石、膀胱結石などに用いられました。対症療法の西洋医学への盲信への反省から、こういう漢方や和薬への関心が高まっています。

 あまりに暑くて疲れたので早めに亡き友人のログハウスで昼食と休憩を。枝垂れ桜が満開です。モンキチョウとモンシロチョウが舞っていました。林道ではルリタテハとヒオドシチョウも。蟹沢(がんざわ)の向かいの山に行くと、シュッという威嚇音が。ニホンカモシカです。拙書の鞍骨山に掲載のシロの子供か孫でしょう。

 ログハウス横の堂平大塚古墳の花桃も満開です。北アルプスの仁科三山は花曇りに霞んでいました。ゆるゆると昼食をし景色を眺めて戸倉上山田温泉の万葉温泉へと向かいました。

 キジムシロ。春のバラ科の黄色い花は皆似ていて同定が難しいのです。近くにはミツバツチグリもありました。ヘビイチゴ、オヘビイチゴ、ツルキンバイ、ミツバツチグリ、キジムシロなど。分かりますか。右は咲き始めたヤマブキ。太田道灌の逸話で有名です。「七重八重 花は咲けども 山吹の、箕(実の)ひとつだに なきぞ悲しき」

 桃の畑と赤坂橋の向こうに桜が咲く皆神山。鶯も鳴き出しました。

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