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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

初詣は京都の清水寺の元寺という山形村の標高1200mの清水寺へ。驚くべき古刹でした(妻女山里山通信)

2020-01-04 | 歴史・地理・雑学

 初日に輝く北アルプスの常念岳(左)と横通岳(右)。雲ひとつ無い清々しい元旦の朝です。

(左)東山から登る初日。草間彌生の水玉の様なフレアーに今年の幸運を予感してしまいました。(右)突っ伏している次男はごめんなさいと懺悔しているのではなく、ドローンを飛ばしてその画像の確認をしているのです。ドローンは100mの上空にいて北アルプスのパノラマを撮影しています。後方は左から燕岳、仁科三山。白馬三山です。

(左)霜がおりた田んぼの畦道。(右)朝食は我が家恒例の太く長く生きろよとおしぼりうどん。信州でも旧埴科郡と更級郡でしか食べられていない極めて貴重な伝統食です。強烈に辛いねずみ大根の絞り汁に信州糀味噌をといていただくのですが、今回のはすすれないほど辛く、食べると胸焼けならぬ強烈な胃焼けがして参りました。ただ辛味は揮発性なので、時間が経つと辛味はなくなります。篠ノ井や戸倉上山田、坂城に名店があります。うどん好きでこれを食べたことがない人はマイスターとはいえませんね。小麦粉は友人が作った幻の伊賀築オレゴンと信州地粉のブレンド。

 山形村の清水寺からの展望。正面は美ヶ原の王ヶ頭。アンテナが目印。眼下には松本空港。飛行機が飛び立って行きました。

(左)清水寺の仁王門。(右)山形村指定天然記念物アララギの巨木。林業関係の長男も何?と思ったのですが、管理人のおじさんがイチイの木だよと教えてくれました。方言ですね。

 仁王門の阿吽の仁王像なんですが、今まで見たことのない不思議な造形です。白っぽいものと緑の違いはどういうことなのでしょう。凄いです。しかも石像。木像がほとんどです。はじめて見ました。非常に貴重なものだそうです。

(左)左右に三体ずつ地蔵が並んでいます。(右)趣のある山門。

 銅板葺きの本堂。銅板は近年のものでまだ新しい輝き。年月を経ると緑青色の趣のある佇まいになるでしょう。右上には鐘楼が。

 慈眼山 清水寺の御由緒。

(左)参拝していると管理人の方が来られて、本堂の扉を開けてくれました。撮影してもいいですかと問うといいですよと。前立本尊。手前の写真は秘仏の千手観音。(右)坂上田村麻呂の東征の絵で、最も古い絵だろうということです。現在は住職はいませんが、過去には6人の住職がいたとか。ここから京都の清水寺に嫁いだ方がいて、昨年90歳で大往生したとか。

(左)なんでしょう、薬箱ですかと聞いたら、いや御神籤(おみくじ)ですと。ただ番号を出す棒が箱から出せないんですと。(右)箱の中の御神籤を見せていただきました。驚いたのは、山号が慈眼山ではなく、京都の清水寺の音羽山ということ。これは管理人の方も不思議だねと。これこそ元清水寺の証拠かもしれませんね。いやこれは京都の清水寺で使われていたものではないでしょうか。それを新しくする時にこちらに寄贈されたのではないでしょうか。それなら納得できます。本来ここに安置されていた行基作といわれる千手観音は京都の清水寺に安置され、ここの秘仏は江戸時代のものとか。

(左)毎年5月に行われる秘仏御開帳の写真を見せていただきました。京都の清水寺から今年の漢字を書かれる森清範貫主とお孫さんも訪れるそうです。当日は秘仏の千手観音が公開されます。(右)見事に刈られたイチイ。

(左)境内には天宇受賣命(アメノウズメノミコト)が首にかけて踊ったというヒカゲノカズラ(石松)がありました。(右)不動明王の石仏。

(左)夕食の雑煮は、次男がふるさと納税で得た佐世保地鶏で。出汁は濃厚で超絶美味でした。(右)チェダーとかカマンベールとかチーズ六種にエステートゴイチのシラー。

(左)佐世保地鶏とアンガスビーフのソテー。アメリカ牛ですが、抗生物質やホルモン剤を使っていません。信州では西友や原信で買えます。安価ですが美味です。(右)元旦の夜は我が家恒例のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサート。最後のラデツキー行進曲を聴くと毎年寝落ちします。今年こそいい年でありますように。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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