モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

春の兆しを求めて、約2ヶ月ぶりに妻女山陣場平へ。福寿草が咲きはじめ。善光寺平パノラマ(妻女山里山通信)

2023-02-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が8度の予報の週末(実際は10度まで上がりました)。春の兆しを求めて、約2ヶ月ぶりに妻女山陣場平まで登りました。ただし山中は2度。日陰は0度。靴の中敷きにホッカイロを入れていきました。そうでないととても歩けません。

 福寿草が咲き始めました。花期が長いので3月末ぐらいまで芽吹いて咲き続けます。フクジュソウ(福寿草、献歳菊、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。現在4種に分類されていますが、死亡例もある毒草です。春の水仙とともに要注意の植物です。

 蜜は無いのですが、大量の花粉を出すため、暖かくなるとハナアブやミツバチがたくさん訪れます。福寿草や水仙、タンポポ、ロウバイにダンコウバイと春の花に黄色が多いのには理由があります。啓蟄を過ぎても昆虫はまだ少ないのです。その昆虫は黄色い花に集まりやすいという習性があるのです。植物の生存戦略です。

 妻女山駐車場から長坂峠までは北面なので残雪があります。イノシシ狩りのハンターの轍が凍結しています。途中でバードウォッチングの人が遠くに見えました。ルリビタキが近くの枝を飛んでいきました。

 長坂峠の先から斎場山(旧妻女山)。上杉謙信の最初の本陣で山頂は古代科野国の古墳(円墳)です。手前の明るいところは、年末に妻女山SDPで灌木やノイバラを伐採したところです。これでイノシシの隠れ場所もなくなります。オオムラサキの幼虫が生息するエノキ(榎)の保護にもなります。

 陣場平入り口。向こうの西向きの斜面は、我々が保護活動をしている最初に貝母(ばいも)が最初に芽吹くのですが、さすがにまだです。2月の中旬過ぎには芽吹くでしょう。3月4月は例年より温かい予報が出ています。春は一気に進むかも知れません。

 川中島の戦いの際に、上杉謙信が七棟の陣小屋を建てて本陣としたと伝わる陣場平。「甲陽軍鑑」の編者の小幡景憲がここに七棟の陣小屋がある絵を描いていて東北大学の狩野文庫に所蔵されています。当ブログでは大学の許可を得て掲載しています。
川中島の戦いで上杉謙信が本陣とした斎場山と陣場平へ(妻女山里山通信):『甲陽軍鑑』の編者と言われる小幡景憲彩色の川中島合戦絵図。陣場平に陣小屋が七棟建てられた図が描かれています。

 向こうに見える小山は高句麗人の積石塚古墳。その手前に昨年、仲間と貝母の球根を100株近く移植しました。この春が楽しみです。満開の時期は、4月の10日から20日頃です。それは美しく見事です。日本でこれだけの群生地はここだけです。開花状況はこのブログでお知らせしていきます。

 杉にからみつくフユヅタ(冬蔦)。実がなっています。ナツヅタは紅葉し枯れますが、冬蔦は年中緑です。

 タヌキの足跡。ニホンカモシカやイノシシ、ノウサギは見られませんでした。ちょっと気がかりです。

 陣場平の菱形基線測点の上に何かの糞。テンの高糞というのでテンかもしれません。赤いのですが何を食べたのでしょう。種を見ると柿ではなさそうです。なんでしょうね。有毒のヒヨドリジョウゴでしょうか。不明です。

 山を下って仲間とやっている椎茸のホダ木栽培の現場へ。倒木とか落枝もなくて安心しました。

 翌日は温泉の帰りに妻女山展望台に立ち寄りました。やや雲は多めで戸隠連峰や飯縄山の稜線は雲の中です。眼下の長芋畑では春掘りがそろそろ始まります。冬越しの長芋は適度に水分が抜けて甘さが増しているので美味です。

 北東の方角には拙書でも紹介の名峰の高社山。その向こうは木島平や飯山の豪雪地帯で、風景が一変します。ただこの冬は積雪が少ないのです。高社山麓の白く見える部分は葡萄畑です。左手前にはエムウェーブとホワイトリングが見えます。

 東の松代方面。左の大きな山塊は奇妙山。山頂は古い山城でハイカーに人気の里山です。右奥には根子岳と四阿山も。昨年は真田信之入部400年で賑わいました。徳川についた信之公ですが、我が家の祖先は、真田昌幸、信繁(幸村)親子についたので、ちょっと微妙です(笑)。その前には小笠原長時に使えていたのですが、塩尻峠の急襲で武田信玄に敗れ、村上義清を頼ってその系列の清野氏の当地に土着したと伝わっています。1548年のことです。ただ我が家には1552年に桔梗ヶ原の戦いで戦利をあげ山縣三郎(武田の四天王)より褒美をもらった感状があるのです。戦国時代は兄弟親子が一族存続のために敵味方に別れたのは普通ですから。ちなみに真田信繁についていた林源次郎寛高は、幸村の7人いたといわれる影武者のひとりで、大阪夏の陣で討ち死にしています。今日の最高気温は6.5度。これから三寒四温で春になって行きますが、おそらく2、3度はなごり雪が降るでしょう。

 ここのところ英国プレミアムリーグのブライトン所属の三笘薫選手の活躍がもの凄いですね。往年のサッカー小僧としては目が離せません。技術レベルはもちろんですが、知的レベルと落ち着きが凄い。あれだけ前傾姿勢で懐が深かったらディフェンスも迂闊に飛び込めない。しかも相手の重心を見てというか重心を誘って逆をつく。もうこれは対処ができません。しかもおごっていない。まだまだ伸びるでしょう。他にも刺激されて欧州で大活躍している選手が多数います。楽しみです。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紅甘夏のウィスキーマーマレ... | トップ | 偽造の感状書。真田幸村の影... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アウトドア・ネイチャーフォト」カテゴリの最新記事