万能型天使の典型である。
彼はあらゆる使命を背負っていたが、そのうちの大きな一つは、フランスを救うことだった。彼が晩年フランスに招かれたのは、偶然のなせるわざではない。
実に、本来ならフランスの救済をもっと徹底的にやるはずだったジャンヌ・ダルクが、惨たらしい悲劇によって、あまりにも早期に死んでしまったからである。それによって、フランスの運命を修正するために、急きょレオナルドがフランスに来たのだ。
彼はフランスに「モナリザ」という一枚の絵を残した。それこそが、フランスの救済だったのだ。実に、この絵こそが、人間への神の愛を表現するものだったからである。
人間はこの絵によって、神が自分たちの存在を保証していることを、実感することができるのだ。ゆえにあらゆる活動を起こすことができる。これが彼のもたらしたフランスの救いである。
言ってもいいだろう。後に世界を席巻する民主化の嵐は、実にこのフランスに起こった。ゆえにフランスには、どうしても人類の終末を早めたという責任が生じるのだ。そのフランスの亡国の運命を、防止するのが、モナリザの使命だったのである。