あのこが すきだったんだ
はなやの かんばんむすめ
がっこうさぼって
のらいぬにけちつけてたときに
みかけたんだ
めがねかけててね
いろじろのひたいに
あかっぽい髪がゆれていた
きれいな声で
お客さんにありがとうって
いってたの
おれ
いっぺんにまいったの
すきだっていえなくってさ
ばかになっちゃえって
いやなこともやれなくってさ
ほれでどうしても
あのこといっしょになりたくて
おれ
やったの
いたいことはみんな
そのためにやったのさ
えれえことはみんな
そのためにやったのさ
ばかだってのはねえ
いつしかそんなこと
どうでもよくなるほど
やったことがえれえことんなりすぎて
ばかにはまりすぎて
いやになるくらいおれ
えらいもんになっちゃったの
あほにやりすぎたの
はなやのあのこに
すきだっていえなくておれ
せんそうをやったんだよ
みんなころしたんだよ
ぜんぶやっちまってさ
きがついたら
みんなやけのはらで
はなやもなくなっちまって
あのこはどこにいったのか
わからない
おれは
ばかだってなくこともできなくってさ
へいきのへいざで
みんなばかだっていうのさ
ほれでずいぶんと
ほかのおんなをなかせたの
ばかばっかりだ おんなはってさ
あほはみんないたいね
いたいね
ほしかったのは あのこなんだよ
はなやで はたらいてた
あのこなんだよ
おれがすきなのは あのこなんだよ
どこにいったんだ
どこにいったんだ
おれの
ほんとうのおんな
おれのおんな
おれの
おれのあのこ