(孤独ですか
試練の天使よ)
ほ
さあて
(孤独です
ときに わたしは)
ほ
あなたは すなおだ
(ええ)
おもっていることを
そのままにいう
あるいは
真実を正確にいうために
遠い遠い道をあるく
どんなにめんどうな回り道でも
正しくない道には
決して足を入れようとはせぬ
(まことに そのとおり
そしてそれが
あなたのこころを
なやますことのひとつだということを
なにもわからないほど わたしは
おろかではないつもりです)
ほ おろかとはいいませんが
ほんとうに いいひとだ
あなたは
みてはいられないほど
ああ 孤独かと問われれば
たしかに孤独だ
ほんに
ひとはだれでも 孤独からは逃げられぬ
自分と同じものは存在しない
自分を全く分かってくれるものは
いない
自分自身も含めて
わたしにとって いちばんのなぞは
やはり このわたしというもの
なぜこんなにも わたしは
あなたを にらむのか
なぜ あなたは
わたしの 視線に
はるかなまなざしでこたえ
苦しすぎる道に入ろうとするのか
(試練の天使よ
あなたが苦しいとき
わたしも苦しい
ただあなたにはわかっている
わたしというものが
人類にとって必要だということを
そしてあなたは
あなたもまた人類にとって必要であるということを
わたしがわかっているということを
わかっている)
ふ
(われわれは おのれがおのれゆえに
苦しむ
だが われわれよりも
真実 苦しいものとは
いったい何者と思いますか)
ほ ほほ
もちろん 人類です
(そのとおり)