北極星を目指し
荒れる海を渡れ
てのひらのごとき
小さな島国よ
神の国から滴る
新たな希望を信じ
ひたすらに海を渡れ
アンタレス
☆
イギリスは、この世界に民主主義をもたらしたという責任を有している。実に民衆による権力奪取の革命は、フランスとイギリスによって起こった。ここから、世界中に広がっていった。
それは、人類世界に夢のような世界をもたらすかに見えた。愚昧な王権のエゴによって、民衆が苦しむことは二度とない。民衆がみなで幸福になれる、理想の政治体制がもたらされたかに見えた。
だが現実は、全く逆の方向に傾いた。
理想的自由を手に入れた民衆は、かつての王族のように、自分のエゴを満たすために動き始めた。自由になり、金を儲けることができるようになれば、彼らは真っ先に、自分の好きな女を好きなだけ手に入れるということを考え、それを、巧みに民主主義の理想に隠しながら、実行していったのである。
阿呆の段階の人間が、修行の進んだ良い人間をことごとく駆逐し、政治体制を巧みに利用して、政権に登るようになった。そして、民衆をエゴで動かし始めたのである。
何のことはない。王権が素晴らしかったころは、王になろうとした馬鹿が、民衆の方がよくなれば、民衆になって、権力を奪ったのだ。そして、国は一見豊かに平和な暮らしができるようになっているように見えて、裏町のようなところに黒々とした闇が生え群がった。美貌の女と自由にセックスすることができる、安易な天国を、馬鹿は営々と、国の陰に作り続けてきたのだ。
そこに、かつての王制にはなかったような、膨大な闇が生じた。阿呆が自由を手に入れて、好きなことをやったのだ。
これが民衆革命のもたらした闇なのである。理想の陰で、すべてが曲がり、さかさまになっていった。人々は、自由を享受しながら、目に見えない強権の鎖に縛られ、心がむしばまれていった。何も見えなくなった人間は、悪が正しいのだと思い込み、一層好きなことをやり始めた。そしてかつてない暴虐を実行し、とうとう女性を滅ぼした。
あくなき欲望がもたらした世界は、女性のいない砂漠のような世界だったのだ。
われわれはこの事態を打開するために、北辰制を提示し、そこを目指すことにした。
それは、真実の愛による政治体制である。
これは、まことに、はかない夢のような理想論に見えた。だが、希望はいつも、神の国から降って来る。
2017年、とうとう人類は進化の扉を開けた。魂の感性が開き、心の世界が見えるようになったのだ。真実の愛を、人類は見分けられるようになった。
これは、北辰制が、決して夢ではなくなったことを意味する。
人間はもう、悪の正体がわかった。そして、愛の価値を理解することができた。そしてここから、新たな体制を作ってゆくべき道を、探っていくことができるようになったのである。
われわれはそれを祝福する。
愛の政治体制を目指すものは、イギリスに向かいなさい。そこで導きがあるだろう。なぜならイギリスには、この世界に民主主義を生み出した、責任を有しているからである。
やらねばならない。