世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ポーラースター・システム・31

2017-05-07 04:12:58 | ポーラースター・システム

1837年、アロイス・ヒトラーはシュトローネス村でマリア・アンナ・シックルグルーバーの私生児として生まれた。


Wikipedia


  ☆



アロイス・ヒトラーは、かのアドルフ・ヒトラーの父である。私生児という事情から生まれた複雑な環境に育ち、暗がりにひずんだ人格が生じた。この人格は、アドルフの性格に深く影響を与えたと思われる。

美しい人間ではない。この人間から、あのすさまじい虐殺を行った人格が生まれたのだが、このアロイス・ヒトラーが非凡な性質を人々に感じさせるのは、今でも、この人間だけが、アドルフを愛しているからである。

何百万人のユダヤ人にとっての宿敵以上の憎悪の対象として、永遠にぬぐえない罪の影を深く人類世界に刻した一人の愚かな男を、ただ一人、この男だけは愛しているのだ。

なぜか。自分の子だからだ。それゆえに、捨てられないのである。自分が、父親に捨てられた私生児だったことも影響しているだろう。捨てられた子供の悲しみが霊魂に刻されたものであるがゆえに、あまりにも厳しい我が子を、見捨てることができないのだ。

その罪によって人類世界を追放されたアドルフ・ヒトラーが、この人類世界に帰ってこれる可能性を有しているのは、ただひとり、この男だけが彼を愛してくれているからだ。もし自分の罪を支払うことができて、帰ることが許されたとき、この男だけは、アドルフを迎えてくれるのである。

放蕩息子の帰還をよろこぶ父のように、この男だけは、アドルフの帰還をよろこんでくれるのだ。それがどんなに未熟な人格であろうと、これを美しくないと言い切ることができる人間がいるだろうか。

愛とはこういうものなのである。

国の権力者となり世界中に暴虐の嵐を振りまいた独裁者を救うことができるのが、たったひとりの小さな男の真実の愛なのだ。どんな馬鹿をやる人間にも、その真実を信じて耐えてくれる愛がいる。深い罪の影を持っている人間も、その懐の中に生きる場所を作ってくれる。そんな愛がある。それが真の愛だ。

国の中心には、そのような愛をすえねばならない。そうすれば、深い罪を持っている人間も、そこで生きることを許されるからである。その未熟な人格がなんとかなるために、努力をしてくれる人間を、遣わしてくれるからである。高い愛を持つ人間は、罪深い暗闇に心が落ちた人間も、自分の国の民ならば、愛してくれるのだ。そして導いてくれる。

愛が真ん中にあるからこそ、あらゆるものが生きていける世界が広がる。

このような愛を、馬鹿にしてはならない。自分を何とかしてくれる愛を、殺してはならない。そんなことをすれば、国が亡びる。人間が生きていけなくなる。

国を愛してくれる高い魂を、殺してはならない。もしそんなことをすれば、イエスを殺して滅びたユダヤのような運命が、その国に訪れるだろう。






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