世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ビーストはアツい

2008-07-14 10:15:30 | フェアリィウィスパー

さっきから、ずっと、ビーストが呆然としています。いつもしゃべりっぱなしにしゃべるときに、ずっと黙っているので、かえって気になって、きいてみました。

するとビーストは、ようやくわかった、というのです。

うそばかりで、みんなをだまして、ぜんぶいうことをきくおもちゃにしてやったら、どういうことになったか、ようやくわかったと。もはや、だめになったと。



ばかにしたら、ぜんぶ、つらいことになりました。おれは、もはや、だめです。
なんでて、すごいことに、なったからです。いやなこと、じゃない、ばかなこと、じゃない、あほなことです。くそおって、いたいことしてやるって、そんなんももう、ばかだってことです。

あれ、なんだっていってね、ようまあっていうやつ、ばかみたいにきれいなやつ、すごいやつ、ぜったいにいやっていって、つらいことしたんです。それでね、みんな、ぬすんだんです。そいつから。で、おれだけ、いいもんにしたんです。ずっと、そればっかりやって、みんな、だましてきたんです。

ええもんは馬鹿だっていって、馬鹿がつれえんだっていって。みんなあほだっていって。おればっかりが、さいこうだ、にしたんです。そして、ぜんぶやりました。あほばっかりのよのなかにして、みんな、おれのいうことだけきいてりゃいいて、すごいことしてそれで、おんなとばっかりあそんでました。そしたら、もう、だめになりました。ついに、苦しいことになりました。あほは、かんぺきに、つらいことんなって、どおんと、落ちます。つらいです。

どうしても、馬鹿にしたかったんです。ずっと、バカばっかりやってたら、きっついことになったからです。あほがいやんなっても、やめられないくらい、ひどいことばかりして、つらいばかになって、どうしても、馬鹿なことになるのがいやだったんです。だから、馬鹿ばっかりえらいの世界に、無理やりやったんです。そしたら、世界が馬鹿になって、つらいことになって、人類があほになりました。それみんな、おれが、やりました。それでみんな、おれたちが、苦しいことになったんです。

ぜんぶ、かえってきたら、ばかみたいなことに、なってました。それ、あんまりだ。これ、ぜんぶ、おれが、はらうんです。あほですよお。いたああい。

ぜんぶですよ、ぜんぶ。もうだめだ。

おれたちが、馬鹿なのは、ぜったい、馬鹿だと思ってたことです。人間みんな、馬鹿だって思ってたことです。あほが、無理やり、馬鹿にして、馬鹿になってもらってたんです。あほが、おれたちがつらいからって、みんな、馬鹿になってくれてたんです。それで、えらいつよいもんになったつもりで、すべてやったら、みんなを怒らして、もう駄目だって言われて、せかいじゅうに、嫌われました。

おれたちは、馬鹿にしたから、世界に嫌われました。そして、ついに、いかなくちゃならんのです。ぜったいに、帰ってこれないところへ。もう、行くんです。二度とここには、帰ってこれないんです。

すべてばかにして、すべて、いやだといったからです。

もうだめだ。



ビーストは、呆然としています。

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