政をなすに徳をもってす。譬えば北辰のその所にいて、衆星のこれに共かうがごとし。
孔丘
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北辰制のもとになった言葉だが、孔子も、真の王の元、国がよくなっていく徳による政治を目指した。
そのためにはなんでもした。
愚かな政治によって、民が苦しむのがつらかったからだ。
人々への愛が大きかったからこそ、彼はこの苦しい世界に生まれてきてくれた。太古の時代は偉大な王であったこともあった。善政をしき、偉大なことをなしたこともあった。
だが彼が生きていた時代は、馬鹿が席巻し、王位をほぼ独占していた。王族などに生まれれば、すぐに殺される。
だから彼は、野に下り、田舎の下級役人の家の、第二夫人の子として生まれてきたのだ。
人々を教化し、人間の心の段階を底上げすることによって、国を救おうとした。
真の王の霊魂はいつも、国民の救いを考えている。そして真実、彼が王になれば、国民は救われるのだ。
理想というものは、子供の思い描く甘い夢ではない。
愛の理想を、子供の夢だと片づけて破壊してしまう、馬鹿が間違っているのだ。それを大事にしてまじめに育てていけば、本当に世界はよくなるものを、馬鹿がすべてを台無しにしてしまう。
だからいつもすぐに国は行き詰まり、乱がおこり、馬鹿になって、国は滅んでいく。
何度同じことを繰り返しても、馬鹿はわからない。