北の森での散策日記

北海道の昆虫(主に蛾・ゴミムシ・カメムシ・ハナアブなどなど)が好きで、冬は鳥や動物を撮影しています。旧ブログ名「自世界」

オオシモフリエダシャクと工業暗化など

2015年02月11日 | シャクガ科
大きなエダシャクたち。
今日は工業暗化がキーワード。


オオシモフリエダシャク 2011年8月1日 札幌市厚別区

おそらく昆虫に興味のない人でも、ニュースや新聞のコラムなどでこの蛾について聞いたことがあるかもしれません。
「工業暗化」と呼ばれる現象を引き起こしたことで知られるのがこのオオシモフリエダシャクです。
ちょっとした有名蛾ですね。

当時イギリスで産業革命が起こりました。
のち発生した煤煙により黒ずんだ木などの環境の変化が、体色の白いオオシモフリエダシャクに変化をもたらしました。
生息地が黒っぽい環境になったために白い個体が外敵に目立ち淘汰進み、稀にしか現れない黒化型の生存率が上がった。
結果、わずか50年の間に一割だった黒化型が9割を占めるまでになったのです。



別個体 2011年8月1日 札幌市厚別区
このご時世工業暗化は起こらないので、黒化型は1割。
日本とイギリスは同じかはわかりませんが、黒化型が見られたらラッキーですね。




トビモンオオエダシャク 2012年4月21日 札幌市厚別区
春の蛾。
オオシモフリエダシャクよりも割合黒っぽい。
この蛾も個体変異あり。
ちなみに幼虫も黒っぽい。



ハイイロオオエダシャク 2009年7月21日 札幌市清田区
同じ仲間の夏の蛾。
黒い場所に白い大きな蛾が止まったら目立ちますね。
この蛾はイギリスに居るのかな?
同じ仲間の同じくらいの大きさのこの蛾は黒化型がありません。
もし分布していたとしたら、ただただ淘汰されて数を減らしてしまうという運命なんでしょうね。
個体変異って大切ですね。


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コメント (4)
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