[橋下大阪知事の財政再建案についての世論調査]
毎日新聞は橋下大阪知事の財政再建案についての大阪府の有権者を対象にした世論調査を発表した。
その概要は
・「賛成」は85%で、「反対」の12%を大きく上回った。
・財政再建案に対し、「全面的に賛成」は37%、「賛成だが一部反対」は48%で、「全面的に反対」は1%、「反対だが一部賛成」は11%だった。
・橋下知事の改革のスピードについて尋ねると、「ちょうどいい」67%、「早すぎる」25%に上り、改革を性急と受け止める人も少なくなかった。
・高齢者、障害者、ひとり親家庭などを対象とする医療費助成の削減「反対」が75%
削られることが心配な施策の分野別では、「医療」が38%と最多で、「福祉」「教育」と続いた。
・職員の人件費削減では、「賛成」が83%に達した。
[橋下さんの改革手法]
私の橋下さんの府政に関するエントリーは最初だか、かねがね私は
・改革はじっくりやる事、
・改革のためには腹心の部下で廻りを固める事、
・庁内の職員の支持層を増やすための知事直接のコミュニケーションのシステムを作ること
を考えていた。
然し橋下さん彼流の強引なやり方を進めているようだ。
中でも職員の人件費削減は改革の目玉だが、職員組合との交渉に難関が待ち構えており、目標通りの成果が上がるかどうか判らない
これについては世論とマスコミの支持頼りの橋下さんは公開で組合との交渉に望むだろう。
交渉の成り行きと結果については職員のモラルとやる気の低下に繋がりかねないが、このような人の指導、監督は府知事の直接の手の届くところではないし、その結果は以後の府政大きな影響を及ぼしかねないなどの不安材料があるようだ。
[府議会の定数削減]
その橋下さんが昨日古巣とも言うべき読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」に出演していた。
そこで他の出演者から全国最下位レベルの府の職員の給料カットするのなら、同じくトップクラスの府議会議員の給与に手を着けないのかとの質問に橋下さんは「府の組織は府知事の下の府庁と府議会の並列する二つで成り立っているので橋下さんとしては、それに対して口を挟む権限もないし、そうする気もない」と言っていた。
府議会の定数削減のメリット
然し橋下さんとしては大阪府改革のためには府議会議員の給与カットは勿論その定数削減をまずして欲しいと言うのが本音だろう。
府議会自身が定数削減すれば、府内外の改革反対勢力や、職員への給料カットに反対する組合の強大な圧力になるからだ。
府の職員の給料カット、府の設備の縮小などは大なり小なりの悪い影響を与えるのは勿論で議論の別れるところだ。
然し、府議会の定数の削減は例えば1~2割なら何らの影響もないし府民が困ることはなにもない。
強いて言えば困るのは府会議員とその家族だけだ。
[地方議会の定数削減]
このような簡単かつ効果が大きい改革が大阪府にとどまらず他の地方の都道府県、市町村の議会で何故できないのか。
それは
・地方の人達が地方組織の改革を望んでいるとき、地方の行政機関に付いては選挙で改革を訴える知事や市町村長を選べば良いが、立法機関の議会の場合はそれを訴える候補者を選ぶしかない。
改革を訴えて当選した議員は議員全体の僅か数%か数10%にしかならない。
・しかも地方議会の議員たちは或る党やグループに属してもそのボスの意志どおりに動かなくても済むので大きな力と成り難い。
などで、地方議会の改革が進まない条件が揃っている。
然しそれでは地方議会の改革はどうにもならないのかと言うと僅かではあるがその成功例もあるようだ。
それは地方と言う狭い地域で有効な住民投票だ。
私の狭い知識の範囲で言えば国会議員は国民の代表か のエントリーで書いた福岡県飯塚市の例だ。
飯塚市は、旧飯塚市の他4つの町が合併したさい、在任特例を適用し、約85人の議員がそのまま市議として2年間つとめることになった。
これに対して財政の苦しいのを解決するための合併であるのに、この様な大議員数を抱えるのは反対と言う圧倒的な数の市民の署名に対して、市議会は自主解散をし既存の条例に基づく選挙の結果市会議員数は約34人に減った。
大阪府は飯塚市と比較にならぬ人口数を持っているが、橋下さんの改革を支持している85%の人が、前に書いたような険しい改革の道に敢えて挑戦しようとしている、橋下さんのために、住民投票で府議会の定数削減を訴えて貰ったらどうだろうか。
[国会定数の削減]
地方議会に比べると国会の定数削減をしやすい一面がある。
国民は国会議員定数を削減をマニフェストに掲げた党の党員に投票すれば良い。
国の場合は議員内閣制だから、もし首相が国会改革にやる気だったら、今の小選挙区制では彼の意志に反することは地方議会と違って難しくなる。
これは野党でも同じで、民主党の例をとっても党内に小沢さんと違った考えを持っていても、最後は彼の意志の通りになっている。
私の提案の問題点
ただ一つ私の意見には大きな難点がある。
それはその国会議員定数削減を約束した政党が、与党であれ野党であれ実際に約束した方向に動いてくれるかどうかだ。
残念な例だが、参院選の民主党のマニフェストで 「国会議員定数の1割以上を削減する」と明記していたのに、そして参議院で多数を占めた今でもその方向に動く気配すらない。
しかもその公約に基づく法案を実際に参議院にでも提出すれば国民の同党に対する支持率の上がるのは確実というのに。
選挙民のできることは、党が公約違反または実行しない事実をしっかり覚えておいて、次の選挙で自分の意志を反映させるかどうかだ。
橋下さんの言を借りると大阪府議会定数削減の影響は、日本全国の地方議会から国会まで拡がって行くので先ず大阪府で実施して貰えばと思うのだが。
甘い考えかもしれないが、そうすれば選挙の時は奇麗事を言って、選挙が済むと頬被りの政党も居りづらい筈だと思うのだが。
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