普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

首相の問責決議可決

2008-06-12 10:22:17 | 民主党

 今まで出たり消えたりしていた福田さんの問責決議が参議院で遂に可決された。
 この件について昨日のエントリーで触れていたので、起きて直ぐ気になっていた新聞各社の社説を覗いてみた。

各社の社説
 読売
産経はほぼ完全に民主党に非があるとし、毎日は以前から解散、総選挙すべきだと自社の主張しているが、今回の民主党の問責決議を出した時期やその狙い、今後の審議拒否など問題が多いと指摘している。
  一方、朝日 
は予想通り完全に民主応援、政府攻撃の立場で、最後に「税制のあり方や社会保障などについて、政策の枠組みをきちんと有権者に示すべきだ。」と一言だけ民主に注文を付けている。

読売の社説
 この問責決議についての私の意見を書く前の読売の社説の中で私と同意見の部分を拾いだしてみた。
・民主党などは、問責決議の理由として、政府・与党が後期高齢者医療制度の廃止に応じず、ガソリンの暫定税率を復活させたことなどを挙げたが、民主党にしても、高齢者医療制度の代案や、税収減を補う財源を示してはいない
・国会の会期末になってようやく踏み切ったのは、今なら(国民から批判の多い)長期の審議拒否は避けられる、という計算が働いているのだろう。
・結局、衆院解散に追い込む効力はないことを承知の上で、対決路線を強調し、国会閉会後も、党内を引き締めていく道具として、問責決議を利用したにすぎないのではないか。
共産党が「効果のない状況で問責決議をしても、決議が軽いものになる」と共同提出に加わらなかったのも無理はない。
・小沢執行部が、一度合意した11日の党首討論を行わなかったことに対しては、党内から批判の声が上がっている。討論で首相から種々の政策協議を求められたら、決議案を出しにくいと考えたとすれば、本末転倒だ。
・民主党の党略優先の対応が、終盤国会を混乱させている。
・民主党の国会論戦を放棄するというのは、論外である。

[私の意見]
・弱小政党の生きる道

 今回の一連の騒動で唯一男を上げたのは共産党だ。
 読売が指摘したように、問責決議には賛成しても、意味の無い決議の共同提出に加わらないこと、決議可決後でも国会審議には応じると堂々とは発言したことだ。
 私は共産党とは反対の立場だが、今回の発言で共産党の存在価値を認めた人も多いだろう。
 それに反して民主党の方針に無条件で賛成した、社民党や国民新党はその存在価値が低くなり、支持率の減少に繋がるのはほぼ間違いないだろう。
 国民新党は民主党との統一会派を離脱など、自党の立場を明らかにするなどまだ良いが、福島瑞穂さん率いる社民党の民主党べったりの態度は、私の言う絶滅危惧種の道を加速させるだけだ。
 中小政党は今のような捩れ国会では是非、是々非々を貫いて停滞しがちな政治の流動化のキーマンになる事で、その存在価値を明らかにすべきだし、またそれが生き残りの唯一の道だと思う。

・大義達成のために手段を問わないで良いのか
 私は何時も書く様に政権交代論者だ。
 800兆以上の借金、官僚主導の政治の継続、米国一辺倒の改革など数々の政治に起因する問題点は、半世紀にも亙る自民党の政権の継続にも多くの原因があり、政権党の自民党は勿論、それを許した野党第一党の社会、社民党に大きな責任があり、その政治を許した国民に責任がある。

・米国の大義とその達成手段
 米国はテロ撲滅→大量破壊兵器の保有→民主主義の確立などの変遷する大義を掲げて、イラクでに軍隊を投入してきた。
 そしてその得たものはテロの世界的拡散と定着化、イラク内の種族紛争の激化だけだった。
 米国の言う大義も怪しいが、何よりもそのための軍隊の投入と言う手段が思いも掛けぬ問題に世界にもたらしてきた。

・政権奪取と言う大義のための手段
 政権交代は良い事だが、それにはやり方がある。
 今回報道されたような、公務員制度改革法案成立などで、党内の自民党との強調的な雰囲気を打破し、党内の引き締めを計ると言う狙いも可笑しいし、何でも反対で政府提出の法案を潰し、政局の行き詰まりを図り政府を追い込んでも、民主党の一部の人達にとっては良いことだろうが、日本と言う国にとっては困ったものだ。

 政治には素人の私は、昨日書いたように今回の問責決議で民主党は参議院の福田さんの出席の拒否をすると考えていたが、それは甘い考えで民主党は(今のところ?)両院での審議を拒否すると言われている。しかも、8月に予定されている臨時国会でも審議拒否をするそうだがこれに対しても党内に両論があるようだ。

 これでは日本の政治は完全に止まってしまう。
 それが民主党の狙いで、政権党は国のために解散、総選挙をやらざるを得ないだろう。。
 詰まり大義のためには手段を問わない作戦だ。

・日本を取り巻く環境
 一方、日本を取り巻く環境は悪化の一方だ。
 石油価格の高騰とそれに基づく諸物価の上昇、地球環境の悪化、Bricsの台頭に伴う日本の競争力の低下→非正規労働者の増加→貧困化と社会格差→凶悪犯罪の増加、少子高齢化の進行に伴う福祉関係の予算の増加、予算を圧迫する800兆にも及ぶ借金の増大が止まらないなど問題山積だ。
 そのような状態を無視しても政治を停滞させることで政府を追い込むしか、民主党の政権奪取のための手段はないのか。

・政権奪取の近道
 民主党が伸びてきたお蔭で、年金制度の問題が表面化し、小泉さんでも出来なかった道路特定財源の一般化をついに、福田さん呑む事態までになった。
 そしてそれに関連して社保庁や国土交通省の不祥事が明らかになった。
 おまけに後期高齢者医療制度の取り扱いで政府がチョンボをしてくれた。
 そしてその結果は昨日紹介したように、前月での世論調査では民主の支持率が自民を上回ったし、今月の望ましい政権のあり方では自民党中心28(2月調査 34)に対して民主党中心 33(同 30)までになった。

 これを見て民主党がこの時期を逸してはと言う気持ちも判るが、問責決議→審議拒否などすれば、またいつものように民主党の信頼性を無くしてしまうだろう。
 ついでに政党支持率で言えば、自民党32(前月25)、民主党23.8(同27)と先月折角リードしていたのに、また逆転したのは何でも反対の民主党に対して、自民党は民主の攻撃に対して、その対策を取ってきたからだ。

 もし読売や産経の社説が言うように政府案の反対の一方で国民を納得させるしっかりした対案を出していたら、前月の逆転の形がそのまま続いたかも知れないし、そして余りにも当たり前過ぎるかも知れないが、政権奪取の一番確実でしかも日本や日本国民に取って有り難い方法だと思うのだが。

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