昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」で参議院の問題が取り上げられた。
その中印象に残っているものを書いて見た。
(青字:放送の内容とパネルの人達の発言、黒字:私の意見または注記)
最初に参議院は不要か否かについて各自の意見が問われたが賛否が二つに別れた。
[参議院が役に立ったこと]
・道路問題の野党の追求で多くの国土交通省関係の無駄が摘発され、福田に遂に道路特定財源の一般化、暫定税率の一般化を認めさせた
・公務員改革法案で政府、与党の抵抗で骨抜きにされたものを野党の追求で、元の原案に近いもの迄復活し、その責任者の渡辺喜美さんの涙のインタビューとなった。
ここでは余り話題にならなかったが年金問題での社保庁などの官庁職員の数々の問題点が浮き彫りになったことなども、参議院というよりねじれ国会のお蔭だ。
[参議院が不要の理由]
・衆議院のカーボン・コピーだ。
参議院が必要と言う人達も、ねじれ国会が今回のように政局に利用されるのなら、不要と言われても仕方がないと言う点では一致した。
具体的理由については話題には余り出てこなかったが、海上給油、ガソリン税、参議院での政府の提出法案潰しのための数々の審議引き延ばし、逆に僅か一日の審議の後の首相の問責決議案可決など、党利党略見え見えのやり方など余りにも多く、そして皆が知っているからだと思う。
[参議院が形骸化した問題点と理由]
・かっては参議院で多数を占めていた無派閥の緑風会が自民党に取り込まれ、参議院議員の殆どが政党に属する議員になってしまった。
・参院の選挙制度が政党それも大政党有利の衆議院の選挙制度と余り変わらないものになった。
・参議院は衆議院のように、政府、与党の意志による解散もなく身分を保証されているので、それだけの責任をもつてことに当たるべきだ。
参院の任期が6年、その半分づつが3年毎に入れ代わる制度は、衆議院のように時の一時的な政局にも動かされずに、長期的な視野で判断をするためだ。然し現実は一時的な政治情勢の変化のために逆に6年間も政治の停滞が続くかも知れない結果になっている。
・上記のような理由で参議院が良識の府でなく政局の府となっている。
・一院制が問題になっている(自民党内で一院制についての検討グループが活動していることの紹介)が、憲法でその存在が規定されているので、どうにもならない。
自民党は今の情勢では事実上絶対不可能な憲法改正が必要な参議院廃止の検討を何故やるのだろうか、それより参議院そのものの問題点の改革を考えるべきだ。
先に提出された思いつきの一千万人の労働者受け入れの提言と同様のくだらないことを、今の自民党が政権から転落するかもしれない時期に検討するなど危機感が無さ過ぎると思う。
[今後の参議院のあり方]
・選挙制度を衆議院と違ったものにする
これに付いては宮崎哲弥さんの意見としてフリップに出ただけで、特に話題にはならなかっが政党に属しない良識のある人達に有利な選挙制度にすることだ。
・参議院での党議拘束を外す
パネルの人達から衆議院でも重要法案の採決には党議拘束を外すべきだと言う意見が出た。
[民主党の責任]
この議論を通じて見ると、民主党など野党の具体的な名前は出なかったが、参議院が役立ったことの全て、そして参議院が役立たないか逆に政治を停滞させたことの全ては野党、とくに民主党が関わっている。
もし民主党員が、道路特定財源や公務員改革法案の審議に見られるように、参議院議員の義務をしっかり果たしてくれれば、日本の政治は停滞せずに済むし、前記の番組の参加者たちが言う様に捩れ国会も日本にとってそれだけの価値があったことになるのだが。
然し、民主党の山岡国会対策委員長の「連戦連勝」の浮かれ発言にみるように、政権奪還のチャンスが濃厚になった民主党に反省の様子は全くない。
「たかじんのそこまで言って委員会」の言う様に、「参議院の選挙制度を変える」、「参議院での採決での党議拘束を外す」のどちらも私の政治の停滞を如何に克服するか でも書いたように正論だ。
このことに関しては参議院内でも改革案を討議しているグループもあるそうだが、その実行は非常に難しいと言うより不可能だ。
何故なら、民主党は参議院で多数を取ったことの党に取っての旨味を味わっているからだ。
そのような民主党が参院改革に賛成することは絶対にない(と思う)。
民主党が仮に政権を取ってもそうだろう。
何故なら今のような衆議院そっくりの参議院の選挙制度を作ったのは、政権党の自民党だからだ、そして他の野党も自党の党勢拡大のためにそれに乗ったからだ。
[政治の停滞を防ぐために]
現在の参議院を残してしかも政治の停滞を防ぐためには、
・公務員制度改正法案のように、民主党が真面目に参議院の審議を進める→自党に都合の良いときだけ
・マスコミ、世論で与野党の方針に対して批判する→やや効果あるが無視されることも多い
・是々非々の新政党を作る→前述のように今の選挙制度では小党の永続的な存続は難しい
・民主党が政権をとる→当面の政治の停滞は防げるが、またいずれは捩れ国会になるになる可能性は消えない
・参議院の選挙制度を改める→前述のように難しい
国民投票か世論やマスコミなどで政治を動かす→国民全体を動かすにはリーダーがいる
・参議院の採決では党議拘束を外す→やれば簡単だが今の与野党ではほぼ期待薄
難しい
など考えられる全てに多くの困難が伴う。
先の委員会で宮崎さんが言っていたが、占領軍の憲法原案は一院制だったそうだが、時の首相の幣原喜重郎さんが国会でのチェック機能を果たすためにと参議院を認めさせてそうだ。
私たちはもう一度原点に帰って、参議院の存在の意味を考え直す必要があると思う。
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