6月9日にNHKは現在の政局について世論調査を行った。
参照:スタジオパーク 「国会最終盤と国民の視線」
1.福田内閣支持率(%、以下括弧内は前回数字)
支持する 26(21)
支持しない 61(66)
2.後期高齢者医療制度をどう思う
廃止すべき 35
維持して見直すべき 52
今のままで良い 7
3.問責決議への対応は
解散、総選挙すべき 49
(首相を)続けるべき 30
辞任すべき 12
わからない 9
4.政党支持率
自民党 32(25)
民主党 23.8(27)
5.望ましい政権のあり方
自民党中心 28(2月調査 34)
民主党中心 33(同 30)
大連立 23(同20)
[世論調査の結果から読めること]
・民主党へ
民主党は報道によれば今日福田さんの問責決議案を出す予定だそうだ。
それで党の思惑通りそして3.の問責決議の対応の世論が示す通りに福田さんが解散をしてくれれば、5.の望ましい政権のあり方に示すように、民主党有利の戦いになり、政権奪取も夢でなくなるかも知れない。
首を捻る問責の手続き
民主党の問責の手続きとしては、今日与党側に高齢者医療制度廃案の賛成、反対の意志を確認して、反対されれば問責決議案を提出する予定だそうだ。
それに対して与党側は衆議院で廃案の法案を継続審議するする方針で、次の国会であくまでそれを徹底的に審議しようと言う作戦だ。
これは参議院で廃案の審議を僅か1日で終わらせ議決した、野党の無茶なやり方を国民にアピールする為だろうが、筋論から言えば明らかに与党の方が筋が通っている。
小沢さんは問責決議は年金、医療、道路問題など福田さんの政権担当能力がないの理由だと言っている。
これは与党が「野党から提出された議員提案を否決されたからと言う立法府の問題で、行政府の首相の問責決議案を出すのは可笑しい」と言う反論を意識したもので、参院でも小沢さんの言ったような主旨で決議案を提出するのだろう。
然し、後期高齢者医療制度の廃案反対を確認してから問責決議を出す手続きから見て、民主党などが同制度反対の世論の流れ(実は世論調査の2.が示すように国民は同制度の見直しを考え始めているのに)を利用しようとしている意図は国民には見え見えではっきりしている。
問責決議後の国会の成り行き
それに対して与党は衆議院で逆に福田さんの信任決議をして、そのまま居直る作戦だ。
その間に与党は着々と後期高齢者医療制度の不具合点を洗い直して行くのは間違いないし、2.の後期高齢者医療制度の見直し賛成の52%の数字が益々上がって行くだろう。
一方、問責決議をされた福田さんは参院に出られないので、民主党支配下の同院の審議は低調を極める一方、与党が多数を占める衆議院の審議に国民の視線が集まるだろう。
そしてまた参議院無用論が出てくるかも知れない。
この成り行きを見ていねだけでは、民主党の支持率の低下は免れないので、民主党も廃案後の高齢者医療制度の修正案を出さないわけには行かなくなるだろう。
これは海上給油反対ばかりしていた民主党がに対するマスコミの攻撃で党の支持率が落ちるので遅まきながら対案を出したのと同じ成り行きだ。
しかも付け焼き刃の修正案では海上給油の対案と同じに欠陥だらけの法案になる可能性が高い。
然し、これは私の単なる想像で、民主党は後期高齢者医療制度反対の裏でじっくりと高齢者医療制度の修正案を考えておれば立派なことだが、今までの民主党の動きから見ているとほぼほったらかしにしているのだろう。
浮足立っている民主党
新聞などで浮足だっている民主党、それを横目で見ながら腕を組んで見ている自民党など揶揄されているが、昨日の報道でも、今日の問責決議案提案を公の場で発表したのは輿石さんで、その出身母体で悪名の高い日教組の会議でこのことに触れたそうだ。
私が予想したように、国会で膠着状態が続けば、後期高齢者医療制度の不具合点を修正する与党と、それは反対ばかりする野党、その野党の態度を攻撃するマスコミの構図から考えて、与党の支持率が上がばかりだ。
そんな時に民主党はこれから政権を取るか、永久に第二政党で終わるか、綱渡り的な国会運営が待ち構えている。
そのような党としての重要な時期に、党にとってはマイナスとなる不人気な支持団体の名前が出て来ないようにすべきだし、その出身者なども裏で動くだけにしておくべきだと思うのだが、千載一遇のチャンスに浮かれたのか輿石さんの発言は余りにも脇が甘いと思うのだが。
政権交代を願う私としては、民主党は今こそ慎重に、そしてもっと足が地についた政策をたて、そしてもっと国民の納得のゆく国会運営を進めて貰いたいものだが。
・自民党へ
内閣の支持率の上昇は福田さんのリーダーシップ
NHKは世論調査での福田内閣の支持率の上昇は自民党の支持率の復活を反映していると解説していたが、私はそれより福田さんが最後の土壇場になって、特定財源の一般化や暫定税率の廃止など、党内の反発を押し切り、恒例の次官会議の議決後でなければ閣議に上げないという慣例を破って決定したという決断と、小泉さんでも出来なかった公務員改革法案成立に対しての彼のリーダーシップなどへの評価が大きく影響していると思う。
自民党巻き返しの道
福田さんは更に道路建設のゼロベースでの見直し、行政改革などで渡辺喜美さんの提案に対して官僚の言う通りにゼロ回答をした閣僚の更迭など思い切ったことをすれば、彼への支持率は急上昇し党の運営もしやすくなるし、党の支持率もあがると思う。
そして党としても政権転落の危機に当たって福田さんを中心に一丸となって難局に当たって貰いたいものだ。
私が何時も書く事だが、教条主義一本槍の社会党が野党第一党だったころ、少々の首を捻ることをしても政権から転落せずにすんだ党としての良い時代とは変わってきているのだから。
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