このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
越中国(富山県)の国守として赴任中の大伴家持を補佐していた大伴池主(おおとものいけぬし)は、天平21年(749年)3月、越前国(石川県)の掾(じょう、第三等官)となり異動する。
国境を越え、越前国深見村に着いた3月14日、彼は家持へ歌を贈る。
月見れば 同じ国なり 山こそば
君があたりを 隔てたりけれ
(月を見れば、あなたのいらっしゃるところもこちらも同じ国のように思われます。山こそがあなたと私がいるこことを隔てているのですね。)
家持は3月16日、次のようにこたえた。
あしひきの 山は無くもが 月見れば
同じき里を 心隔てつ
(山がなければいいのに。月を見れば同じ里に住んでいるかのように思えるのに、山が我々の心を隔てていますね。)
今も昔も、夜空の月はただ一つ。遠く離れていても、同じ月を見てひとは思いを共有し、心を通わせていた。
今夜は欠けた月が綺麗ですね。