ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

心付け

2018年10月12日 | ハリウッド

 終戦の年に母は父親を病気で亡くし、裕福とは言えない家庭に育ったはずなのだが、心付けの配り方がとにかく上手かった。

旅館の仲居さん、家具屋の配達人はもちろんのこと、最後に見たのは観光バスのガイドさんへ、解説がとても上手だったよ、と懐紙に包んだものを素早く渡していて、驚いた。

振り返ってみると、母が渡すのは、若いころの自分を思い出させるようなシチュエーションや相手に遭遇した時だったような気がする。

だから嫌味に思えなかったのだ。

 その息子の僕も、習慣づいている。

今の時代、心付けなど必要ない、渡したこともない、と声高に主張する方々がいるけれど、彼ら彼女たちはそのあと、物事がどれだけスムーズに進むのか、経験したことがないのだろう。

損しているとか、気の毒だととかは言わないが、会員証やポイントカードでは得られないものが、確実にあることを知らないで一生を終えるのだ。

 

 下はマーティン・スコセッシ監督の「グッドフェローズ」(1990年)より、デートでコパカバーナ(最高級クラブ)の正面玄関に並んでいる客を尻目に、裏口から入って厨房を通り抜け、ステージの目の前にテーブルを準備させるまでをカットなしで一気に撮った名シーン。最後に登場するスタンダップ・コメディアンのヘ二ー・ヤングマン(本人)がNGを出すなどして、計8回撮り直したと言われている。

その後の映画やテレビドラマの模範となった、流れるような長回しにまずうっとりし、次は主人公のチップの配り方に注目だ。コパでここまでなるのに、どれだけ配ったのだろう?

 へニー・ヤングマン:やあ、みなさん、ここに出られてうれしいよ。ところで、誰かワイフをもらってくれないか。どこに置いてきても、家に戻って来るんだ。

 

コメント
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