このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
私はグループホームジョバンニからの帰り道、夜空を見上げてつぶやいた。
「雲心月性、か。」
改めてスマホで調べてみると、「名声や利益を求めず、雲のように自在でとらわれない心と、月のように清く明るい性質を持っていること。 【類義語】 無欲恬淡(むよくてんたん)」とある。
夕方、ジョバンニに先月着任したばかりのK管理者からあわてた声で電話があった。
「外部評価の後半部分、職員からの聞き取りの時間に、良かれと思って理事長へホームの古いアルバムをお出ししたところ、ページをめくるうちにみるみる元気を失くされて。」
外部評価は終了したものの、まだホームにいらっしゃると聞いた私は急ぎ駆け付けたのだが、少し前に帰られたとのことだった。
アルバムを開いてみた。
10年以上前のもので、当時の管理者のミス・エイスワンダーが利用者様と一緒に流しそうめんを美味しそうに食べている。
利用者様の誕生会の集合写真では、彼女が中央で恥ずかしそうに笑っている。
初夏なのか、軽装の彼女が運営推進会議で司会を務めている。
理事長は時々言っていた。
あのひとは雲心月性だ。なにも欲しがらないからその貢献に対してなにも返せない。だからもどかしいのだ、と。
確かにそうだと私も思います。でも理事長、あなたの不断のお心遣い、感謝の念はミス・エイスワンダーにしっかりと届いていたとも思っています。どうぞそれでよしとなさってください。