このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
不動産の売買契約を結んだ。
不動産屋(呼び捨てにするのは僕も同じ宅建主任者だからだ)に着いて間もなく、売り主もやってきた。
売り主も不動産屋だ。
18年前に一度取引をしたことがある方で、今日の物件はその隣りだった。
しばらくです、ご無沙汰してしまって、と立ち上がると、急にひどいめまいに襲われ、床にひっくり返しそうになった。
幸い、大きく体勢を崩しながらもなんとか踏みとどまったのだが、とにかく恥ずかしくて、書類に押印しながら僕にしては珍しく、言い訳話を始めた。
大震災後、ショックだったのかめまいと耳鳴りが止まらなくて。
「井浦さんはあの時どこにいたのですか?」
「(大きな漁船が打ち上げられてニュースでもたびたび取り上げられた)鹿折地区の公民館で会議の最中でした。」
あー、と相手はため息をついた。
私は南郷地区の事務所にいたのですが、鹿折地区には自分の賃貸物件がたくさんあってね、それが全部流されて無収入になった上に、会社も流されて無職ですよ。あの日からすっかり変わってしまいました、、。」
やめればよかった、と心底悔やんだ。
東北の被災者の気持ちがいつまでも癒えないのは、自分も大変だったけれど、もっと大変なひともたくさんいる(いた)のだから我慢しなくちゃ、と抱え込んでしまうからだ。
たまに見かける、あの時あれをやった、これもやったとおのれのスーパーマン自慢ができる方々は幸せだな、と思う。
別れ際、こんな状態ですからもう引退しようと考えています、と話すと、いやいや、思いがけず二度ご縁があったのですから、三度目があるように、お仕事頑張って続けてください、と励まされてしまった。
本当に恥ずかしかった。