ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

ステッドラー

2022年09月02日 | 賢治先生

 娘がまだ小学生だったころ、毎週のように鉛筆を僕にくれた。

聞けば被災地の小学校に届いた支援物資を各人に配分したものだった。

そんな心のこもったお品物を受け取るわけにはいかないよ、とはじめ断ったのだが、どうやら彼女はお気に入りのシャープペンシルの方を使いたいらしく、パパ、鉛筆が大好きでしょ、と譲らない。仕方なく、では代わりにありがたく使わせていただくね、と父親が折れた。

その鉛筆の中で困り物だったのが、よく小学校入学時に祖父母が贈る児童の名入りのものだ。さすがにそれは少し気味が悪くてこっそり捨てた。もともと僕は社名などの入ったノベルティグッズは使わない主義なので、無理やりその範疇に入れて処分した。

そう言いながら、4ダースあった娘の名入りのB鉛筆は長いことかかってやっと最近使い切った。すでに義父は亡くなり、娘は二十歳を過ぎていた。

 今、仕事机の上のペン皿は、ステッドラーの鉛筆に占拠されている。廉価なトラディション、マークシート試験用の白いボディのステッドラー・ホワイト、製図用の青いルモグラフを二本ずつ削って並べると、一本一本はドイツ製品らしい質実なたたずまいなのに、不思議と机上が華やいでいる。

 

最近買ったステッドラー・ノリカ50本入り。このまま机上に置きたいくらい。

 

 

コメント
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